2013 Fiscal Year Annual Research Report
フラグメンテーション、タイムゾーン、およびその動学的帰結
Project/Area Number |
22243024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中西 訓嗣 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (20237324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
出井 文男 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90093541)
上東 貴志 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (30324908)
土居 潤子 関西大学, 経済学部, 教授 (00367947)
胡 云芳 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (30379466)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / タイムゾーン / オフショアリング / 動的計画法 / ベルマン方程式 / フラグメンテーション / 熟練労働 / シフト労働 |
Research Abstract |
第1グループ(静学的枠組みを出発点とした理論モデルの構築):(a)本研究プロジェクトで得られた知見を含む従来のタイムゾーンに関する議論を展望し,タイムゾーンが国際貿易構造を決定づけるメカニズムについて整理した(論文1)。(b)ハイテク部門における技術進歩,経済統合,サービス自由化などのオフショアリング(フラグメンテーションの一形態)促進要因と労働熟練との関係について分析した(論文4)。 第2グループ(動学的枠組みを出発点とした理論モデルの構築):(a)動的計画法におけるベルマン方程式の一意解の存在条件および解導出のための繰り返し計算法を示し,具体的な経済モデルへの応用も提示した(論文2)。(b)ベルマン方程式の解が順序構造上の不動点定理から求められることを示した(論文3)。これらの研究によって,タイムゾーンに関する動学的分析を展開するために有用な分析装置の性質が明らかとなった。以上の他,両グループとも多数の論文を内外の学術誌に投稿中である。 国内外の研究ネットワークの構築:(a)米国,英国,インド,中国,台湾,タイを含む国内外より延べ21名の研究者を招聘して,国際カンファレンス(2013/10/25),2度のワークショップ(2013/5/28,2013/11/29),およびセミナー(2013/7/3)を開催し,意見交換を行った。(b)中西はMcGill University (Canada) に短期滞在し,タイムゾーンに関するセミナー報告を行うとともにNgo Van Long教授との共同研究を集中的に実施した(成果論文は投稿中)。(c) 出井はWanida Ngienthi教授を短期滞在で招聘し,フラグメンテーションに関する共同研究を行った(論文4はこの成果である)。これらの研究集会や作業を通じて,研究計画に示した国際的な共同研究ネットワークの深化・拡大を図ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定に沿って,学会・セミナー等を通じて第1グループ・第2グループともにそれぞれのテーマに沿った研究成果を着実に発表してきている。DP・WPとして準備してきた多数の論文を内外の査読付き学術誌に投稿し,審査を受けている。また特に本年度は海外研究者との共同作業・連携に重点を置いて,国際カンファレンス・セミナー・ワークショップ等の開催を通じて国際共同研究ネットワークの構築と拡大・深化に務めてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は本プロジェクトの最終年度なので,これまでに構築してきた国際共同研究ネットワークを通じて国内外の関係者を結集し,本プロジェクトの総まとめとなる国際カンファレンスを実施する。これによって研究ネットワークを構成する本プロジェクトメンバーおよび国内外の研究協力者との連携の一層の緊密化を図る。また,グループごとの研究テーマに関する討議も継続的に実施する。さらに,本プロジェクトにおけるグループごとの研究蓄積をメンバー間で再確認して整理・統合するとともに,フラグメンテーション理論・タイムゾーン理論の体系化を図る。さらに,残された課題の洗い出し作業を行い,本プロジェクトの課題をより高い次元で継続的に探求していくための新プロジェクトに向けた準備を進める。
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