2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22243035
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
北村 敬子 中央大学, 商学部, 教授 (70055242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 博行 大阪市立大学, 経営学研究科, 教授 (60326246)
上野 清貴 中央大学, 商学部, 教授 (90140631)
梅原 秀継 中央大学, 商学部, 教授 (40282420)
齋藤 真哉 横浜国立大学, 経営学部, 教授 (40215538)
吉見 宏 北海道大学, 経済学研究科, 教授 (90222398)
|
Keywords | 公正価値 / 割引現在価値 / 企業会計制度 / 有用性 / 会計利益 |
Research Abstract |
本年度は、公正価値の概念整理、導入された経緯および公正価値測定の適用を中心に検討を行った。検討の内容は、主に『公正価値測定の意義とその限界中間報告書』にまとめており、その概要は以下のとおりである。 公正価値が企業会計に現れるまでの経緯として、まず公正価値が企業会計よりも前に公益事業ないしは公益企業の料金統制の領域において用いられてきたことを明らかにした。その後、特に今日の企業会計における公正価値概念を明確化した米国の財務会計基準157号は、国際会計基準審議会が2009年に公表した公開草案や、EUの企業会計にも影響を与えていることを明らかにした。これらの導入経緯は、今後、日本が国際財務報告基準とのコンバージェンスやアダプションを進めるにあたり、大いに考慮しなければならないものと考えられる。 また、公正価値測定の適用については、現行会計基準における公正価値測定の適用対象、現在価値法による見積りを行う場合の割引率および公正価値測定を適用した場合の利益計算という三点を中心に検討を行った。この中で、特に見積りを行う場合の割引率は、公正価値の金額に大きな影響を与えるが、経営者の恣意的な操作を行いやすい部分である。よって、割引率の精度向上は、公正価値測定の信頼性確保にとって重要な課題の一つとなる。そこで、本研究においては、株式の公正価値の見積りにおける割引率として、インプライド資本コストとインプライド期待成長率を同時推定する方法が不適切または恣意的な見積りを排除する可能性があることを示した。
|
Research Products
(8 results)