2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244004
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小島 定吉 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90117705)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 英子 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (80378554)
高沢 光彦 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (80323822)
逆井 卓也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60451902)
藤原 耕二 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60229078)
上 正明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80134443)
|
Keywords | 双曲幾何 / 錐多様体 / 3次元トポロジー / 2次特性類 / 葉層構造 / 幾何構造 / 体積 / 位相不変量 |
Research Abstract |
本研究は,「幾何構造」「位相不変量」「計算」の三つのキーワードを絡め,10年後の3次元多様体論の標準的教科書に登場するような項目を精査し,3次元トポロジーの研究を深化させることを目指している. 代表者はここ数年,曲面の自己同型写像の複雑さを計るエントロピーと写像トーラスの単体体積の間に関係を研究し,昨年度までに,曲面のトポロジーを指定したとき双方向から線形評価があることを証明した.今年度は自己同型写像が擬アノソフ型に絞り,さらに曲面をコンパクトなものに限ったとき,種数により正規化したエントロピーと写像トーラスの体積の比は,種数によらない一定の正定数で下から押さえられることを示し,Farb-Leininger-Margalitの有限性定理の別証明という系をえた.また関連して,金英子・高沢光彦との共同で,3鎖絡み目の補空間であるマジック多様体について,デーン手術して得られる曲面朿の実験計算から,種数を固定し尖点の個数を増加させたときのエントロピーの振る舞いについて知見を得た.他の分担者および連携研究者もそれぞれ研究課題に添う成果を得ているが,詳細は省略する. 一方,予定通り関連研究集会を開催するとともに,震災復興を旗印に8月前半から4週間に渡って東北大学大学院情報科学研究科で開催された仙台シンポジウムプロジェクトに参加協力し,近隣研究者との間で成果の相互発表,研究動向についての情報交換を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書中の平成22年度の研究計画・方法中の幾何構造(とくに双曲構造),幾何学的群論の側面の項の項目3に「近いうちに明言できると考えている」と記した事項について,コンパクトの場合に最終結論が得られた.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成22年度研究計画・方法中の幾何構造(とくに双曲構造),幾何学的群論の側面の項の項目2に記したバーチャルファイバー予想は,ごく最近D.WiseとI.Agolにより肯定的に解決された.この項目に関しては各種の試みを予定していたが,合わせて幾何学的群論の手法を多用するWise,Agolの理論の理解と検証を加える.
|