2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平地 健吾 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (60218790)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ケーラー多様体 / 放物型幾何 / 値分布論 / アインシュタイン計量 / 特異点 / 連接層 / CR多様体 |
Research Abstract |
研究集会: 多変数函数論葉山シンポジウムでは海外からの招聘研究者10名を含む17名の講演者を迎え,表現論・調和解析と多変数複素解析との意見交換を行った.また函数論の研究者の相互理解を図るために福島大学において多変数函数論冬セミナーを,早稲田大学において函数論シンポジウムを開催した. 研究の進展状況: 平地健吾はCR多様体の大域不変量である全Q'曲率の研究を進め,その変分公式に新しい高階のCR不変微分作用素が現れることを示した.大沢健夫はN. Shcherbina教授を招聘しレビ平坦性について研究交流を行い,ホップ曲面内の実解析的レビ平坦面で正則域の境界となるものを分類した.本多宣博はCP1の上のアファイン直線束の次数が負であればALEなスカラー平坦ケーラー計量が存在することを示した.野口潤次郎は正則曲線の値分布と整数点集合及び小林双曲性の研究を推進した.高山茂晴は射影空間内の部分多様体に対して定義されるグラスマン多様体に値をとる一般化されたガウス写像の研究を行い,ガウス写像の像のプリュッカー次数のエフェクティブな評価を与えた.伊師英之はリー群の一般化最高ウェイトユニタリ表現が等質ケーラー多様体上の量子化直線束の正則切断の空間に実現されるというボレル・ヴェイユ型定理を確立した.辻元はextremal measure のiterationを研究し,それが,ケーラー・アインシュタイン体積形式に収束することを証明した.吉川謙一は川口周,向井茂と共同で,BorcherdsのΦ関数に対する代数的表示を得た.また馬昭平と共同で,対合付きK3曲面の解析的捩率不変量を一つの例外を除き全て決定した.奥間智弘は複素2次元特異点を対象に,幾何種数イデアルの概念を導入して基本性質を示し,good ideal の存在性を Gorenstein 特異点と有理型特異点の場合に示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
葉山シンポジウムの代表者を表現論および調和解析の若手研究者である伊師英之氏が務め,多変数複素解析の枠組みを広げる意見交換を行った.東京大学での月曜セミナーの世話人をPDの松本佳彦氏がつとめ,多くの大学院生および若手研究者に発表と討議の場を与えることができた.個々の研究についても上記の概要に述べたように多くの成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
夏には本多宣博氏および神本丈氏を中心として葉山シンポジウムを開催する.秋には大学院生を中心とした研究集会函数論サマーセミナーを行う.また冬には函数論シンポジウムおよび多変数関数論冬セミナーを開催する.東京大学で毎週開催するセミナーでは連携研究者を中心に最新の研究成果の発表を行う.3月にはプリンストン大学と共同で解析幾何のワークショップを開催する.
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Research Products
(38 results)