2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
瀬田 益道 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80358994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 直正 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80192665)
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Keywords | 電波天文学 / 南極 / サブミリ波 |
Research Abstract |
今年度より4年間にわたる研究をスタートした。本研究は、地上最良の天体観測サイトと期待される、南極昭和基地から1000km内陸の標高3810mのドームふじに1.2mの望遠鏡を設置して、サブミリ波観測により、天の川の星間ダストの姿を観測的描き出すことを目的としている。本研究では、先ずは、星間ダストの研究の道具として、サブミ波望遠鏡を開発することが研究の大きな柱である。本年度は望遠鏡システムの基本設計と要素技術の開発を行った。サブミリ波望遠鏡の主鏡は富士山望遠鏡として活躍した1.2m鏡を改修して活用することとした。ドームふじ基地は極めて低い温度(最低気温-89℃)が予想されるので、望遠鏡の低温化での駆動の検討を行った。サブミリ波受信機に関しては、高い検出感度を目指して、超伝導素子(SIS)を用いた500GHz検出器を採用し、4Kの極低温で評価する装置を製作した。また、南極でのサブミリ波望遠鏡の運用に先立ち、試験観測が不可欠であるが、試験観測サイトを調査した。チリの北部の砂漠地帯を候補地として、アクセス、居住環境、空の状態を調べ、標高4500mのパリナコッタ集落を有力候補値として選定した。集落近くまで国道が整備され、望遠鏡設置場所まで大型のトラックで荷物の運搬が可能である。集落には簡易的な宿泊施設があり、近隣の標高3500mのプトレ村には長期滞在可能なホテルがある。アクセス及び居住性に問題は無い。空の状態を調査するため、そこに、可搬型30cmサブミリ波望遠鏡を設置し、大気透過率や500GHz帯での天体観測を行った。500GHz帯での冬期の大気透過率の測定結果は、サブミリ波観測観測が可能なことを示し、実際に、オリオン分子雲の天体観測を行い、サイトとしての有用性を確認した。
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Research Products
(6 results)