2013 Fiscal Year Annual Research Report
偏光分光スペクトルによる新しいプラズマ診断手法を用いた太陽活動現象の研究
Project/Area Number |
22244013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一本 潔 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70193456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北井 礼三郎 佛教大学, 教育学部, 非常勤講師 (40169850)
柴田 一成 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70144178)
上野 悟 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70303807)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 太陽物理学 / 偏光 / プラズマ / 磁場 / 電場 / 太陽望遠鏡 |
Research Abstract |
活動する太陽プラズマの磁場や電場といった物理量を計測することを目的に、京都大学飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡に、スペクトル線の偏光を高い精度で測定する偏光解析システムを開発した。望遠鏡で発生する人為偏光を評価・校正することにより、400nm - 1100nmの波長範囲におけるあらゆるスペクトルラインの偏光を10(-3)~10(-4) の精度で観測することが可能である。 太陽の縁で発生した突発的なガスの噴出(彩層ジェット)について、中性水素が赤外域に発するスペクトル線群(パッシェン系列)の観測をおこない、その偏光状態をゼーマン効果、ハンレ効果、スタルク効果を考慮した原子偏向モデルを用いて解釈し、磁場ベクトルの導出およびこれまで殆ど検出されなかった電場の検出を試みた。その結果、彩層ジェットの形状がほぼ磁場に沿って伸びていることが示された。また、有意な電場が検出されなかったことから、中性水素が磁場を横切って運動する速度の上限値を求め、彩層ジェットのプラズマは弱電離状態であるにもかかわらず磁場にほぼ「凍結」して運動をしていることを始めて観測的に示した(Anan etal. 2014, ApJ)。 その他、黒点暗部における磁気波動のコロナへの伝搬現象、ダークフィラメントの磁場構造と振動現象、黒点超半暗部のガスの流れと磁場の3次元構造、等をターゲットとした偏光分光観測をおこない、その成果を学会等で報告してきた。 尚、本研究で開発をおこなってきたドームレス太陽望遠鏡補償光学装置は、光学系の設置が完了し、現在制御システムの調整を進めている。今後より高精度をめざした偏光分光観測に資するものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)