2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22244014
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大西 利和 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30314058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 公洋 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (10565328)
村岡 和幸 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40571287)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 電波天文学 / 銀河進化 / 分子雲 / 星形成 |
Research Abstract |
本研究では、一酸化炭素分子の回転遷移スペクトル12CO(2-1) [230GHz], 13CO(2-1) [220GHz], C18O (2-1) [220GHz]の3輝線同時観測により、数分角の空間角度分解能で、我々の天の川銀河の分子ガスの分布・運動・物理状態を徹底した広域観測を中心として明らかにする。そのため、両偏波成分を同時受信可能な2SB受信器を1.85m電波望遠鏡に搭載することにより、観測効率を向上させる。本年度の成果は以下の通りである。 1. OMT・2偏波同時受信2SB受信機・デジタルフーリエ分光計を望遠鏡システムに組み込み、2012年10月から搭載試験を開始し、昨年度までの1偏波受信システムと比較して観測効率が2倍になっていることを確認した。また、観測ソフトウエアシステムを改良し、観測の状況などをすべてWebで確認できるようになり、リモート観測の効率化も推進した。これらにより、当初計画の開発に関してはほぼ完了したと考えて良い。 2. 観測データのキャリブレーションを含む電波望遠鏡としての性能の評価を行い、論文としてまとめた(Onishi et al. 2013)。また、双子座OB1分子雲領域の観測結果も論文としてまとめた(Shimoikura et al. 2013) 3. 開発した2偏波同時観測システムを用いて、12CO, 13COスペクトルを用いた分子雲広域探査、C18Oスペクトルを用いた高密度分子雲コア探査を継続した。昨年度までは、1観測シーズンあたりの観測領域は200平方度程度であったが、1.で述べた開発により、今シーズンは3月末の時点で600平方度ほどの観測を完了することができた。特に、銀河面、おうし座ーぎょしゃ座領域、等に重点を置いて観測を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、両偏波成分を同時受信可能な2SB受信器を1.85m電波望遠鏡に搭載することにより、観測効率を向上させることを開発の目標としていた。本年度、OMT・2偏波同時受信2SB受信機・デジタルフーリエ分光計を望遠鏡システムに組み込み、観測に成功した。また、両偏波ともそれぞれの受信機性能も問題なく、片偏波受信の時と比較して観測効率を2倍に向上できたことが明らかになった。また、すでに5ヶ月以上定常運用が可能となっている。これらのことから、本研究での開発目標はほぼ達成したと考えている。また、装置の特性をまとめた論文(Onishi et al. 2013)、観測論文(Shimoikura et al. 2013)も出始め、ハンガリー、フランスの研究者との共同研究も進みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
この報告書を書いている2013年4月の段階においても観測を継続している。おおよそ5月中旬まで観測を継続する予定である。2013年度も、10月からの本格観測を目指したい。また、Orion座領域、Cygnus OB 7領域等の観測結果の論文も執筆中である。 現在、ハンガリー、フランスの赤外線衛星の観測グループ、名古屋大学の電波グループとの共同研究が進行中であるが、定常観測が可能になってきたこともあり、国内を含む他のグループとの共同観測研究も推進したい。 1.85m望遠鏡の広域分子雲観測望遠鏡としての問題点のうち最も大きなものは、分光計の帯域が狭いことである。本研究で開発した分光計の帯域は、一つの分子スペクトルあたり200MHz程度であり、銀経が20度より小さい銀河面の観測のためには帯域が狭い。現在、別の予算等で分光計の帯域を広げることを考えており、これにより、北半球から観測できるほぼすべての分子雲を観測することができるシステムを完成させることができることになる。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Pattern analysis of young stellar clusters2013
Author(s)
Toth, L. V., Zahorecz, S., Marton, G., Onishi, T., Balazs, L. G., Feher, O., Kawamura, A., Kitamura, Y., Lisztes, M., Nishimura, A., Pasztor, L., Pinter, S., Racz, I., Tamura, M., and Ueno, M.
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Journal Title
IAU Symposium
Volume: 292
Pages: 113
DOI
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[Journal Article] YSOs in Taurus-Auriga-Perseus and Orion2013
Author(s)
Zahorecz, S., Toth, L. V., Marton, G., Onishi, T., Balazs, L. G., Feher, O., Kawamura, A., Kitamura, Y., Lisztes, M., Nishimura, A., Pasztor, L., Pinter, S., Racz, I., Tamura, M., Sese, R. M. D., and Ueno, M.
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Journal Title
IAU Symposium
Volume: 292
Pages: 64
DOI
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