2010 Fiscal Year Annual Research Report
強い相互作用が織り成す物質形態のQCDによる統一的研究
Project/Area Number |
22244018
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藏増 嘉伸 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (30280506)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 健一 広島大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60334041)
石塚 成人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70251030)
武田 真滋 金沢大学, 理工研究域, 助教 (60577881)
|
Keywords | 格子QCD / クォーク質量 / 共鳴状態 / 有限温度 / 有限密度 / 原子核 |
Research Abstract |
本研究課題は4項目に大別される.(i)クォークとハドロン:本年度は電磁相互作用とu-dクォーク質量差を取り入れた1+1+1フレーバー格子QCDシミュレーションの開発を目指し,reweighting法による電磁相互作用導入をテストした.この計算を実現可能なものとするため,変形Block BiCGStabアルゴリズムを開発し,現在論文を投稿中である.(ii)共鳴状態と新粒子:現実よりも重いクォーク質量で生成された2+1フレーバーの格子QCD配位を用いて,実験的に存在が確認されているρ(770)中間子共鳴状態のエネルギー値と崩壊幅を計算した.現在論文を準備中である.(iii)原子核構造:世界初となる格子QCDによるヘリウム原子核の構成に成功した後(論文発表済),2核子系の束縛状態である重陽子の構成にも成功し,現在論文を準備中である.これらの計算は,クェンチ近似のもとで行われており,平成23年度はクォークの真空偏極効果を取り入れた2+1フレーバー計算を実施する予定である.(iv)有限温度・有限密度:有限密度シミュレーションにおける長年の懸案であった符号問題を解決するためのアルゴリズムを開発し,現在小さな格子サイズを用いたテスト計算を実行中である.このアルゴリズムはwinding number展開を利用した全く新しい方法であり,特筆すべき点は有限温度・有限密度の相図において最も興味深い領域である低温・高密度に適用可能なことある
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] Progress in Lattice QCD2010
Author(s)
Yoshinobu Kuramashi
Organizer
35^<th> International Conference on High Energy Physics
Place of Presentation
Palais des Congres, Paris, France(招待講演)
Year and Date
2010-07-27
-