2011 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレント逆コンプトン散乱による大強度軟x線発生の原理実証
Project/Area Number |
22244027
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鷲尾 方一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70158608)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 和之 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (80546333)
柏木 茂 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60329133)
黒田 隆之助 独立行政法人産業技術総合研究所, 主任研究員 (70350428)
|
Keywords | 逆コンプトン散乱 / コヒーレンス / RFガン / マイクロビーム / 高品質電子ビーム / 軟X線 |
Research Abstract |
早稲田大学・産総研グループでは、コヒーレント・コンプトン散乱実現のための電子ビーム変調及びビームの縦横プロファイル変換を行う偏向空胴に関して検討を行った。電子ビーム変調のためのマイクロスリットとしては、電子ビーム描画によるリソグラフィー技術を用いることによって1μmピッチの加工を施すことが可能であることを確認した。今後はナノメートル化へ向けて検討を進める。マイクロスリットを用いて強度変調したビームを偏向空胴によって進行方向強度分布に置き替えるための最適化設計を行った。今後はRF源や入力ポートなども含めた設計を行っていく予定である。また、現在電子バンチ内エネルギー分布を線形にチャープした電子ビームを用いることで、強度変調した電子ビームの変調周期を圧縮することができないかと検討を行っている。このような手法を用いることによって数ナノメートルのスリットは必要なく、1μmのスリット+1:100の圧縮を組み合わせた形の検討を行っている。またコヒーレント・コンプトン散乱実現のための電子ビーム変調に関して、空間領域変調を時間領域変調に圧縮変換する手法に関してコードPARMELAによるビームトラッキングシミュレーションを実施した。 一方東北大においては安定にエネルギー変調をビームに与えるためにレーザー光を波長以下の間隔に設置した金属スリット隙間に照射し、その隙間にエネルギー変調用の電場を生成する方法を検討した。レーザー電磁場を波長26.3mmのXバンド(11.4GHz)高周波で模擬し、スリット隙間(λ/2)に電場が生成されることを計算と実験により確認することができた。ただ、金属スリット表面より指数関数的に電場強度が減少するため、平坦な電子ビームを金属表面すれすれに通過させる必要がある。今後、スリット近傍の電場分布を含めたビームトラッキングが必要であることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子ビーム変調のためのマイクロスリットとしては、1μmピッチが可能であることを確認した。現在電子バンチ内エネルギー分布を線形にチャープした電子ビームを用いることで、強度変調した電子ビームの変調周期の圧縮を検討を行っている。この手法を用いることによってナノメートルのスリットは必要なく、1μmのスリット+1:100の圧縮を組み合わせた形の検討が可能であることが分かっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
さらに高精度の電子ビームバンチ生成について、スリットとレーザー電場を組み合わせたシステムについても検討を開始した。これにより電子バンチをさらに高精度に圧縮し、発生X線にコヒーレンスを与えることが可能となると考えられる。
|
Research Products
(9 results)