2011 Fiscal Year Annual Research Report
大強度パルスミュオン発生のための湾曲ソレノイド開発
Project/Area Number |
22244033
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
下村 浩一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (60242103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 直人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20321763)
岩崎 雅彦 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器センター, 主任研究員 (60183745)
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Keywords | ミュオン / 超伝導電磁石 / ビームライン |
Research Abstract |
加速器で得られる、高エネルギー・高強度陽子ビームを用いて原子核反応によって生成される素粒子ミュオンは、物質科学・基礎物理の様々な分野に応用されている。ミュオンはその発生方法自身の原理的問題として、発生角度分布・運動量分布が大きなものとなり、従来の4重極3重項による取り込みでは取り込み立体角は十分ではない。我々はこの状況を打破するため大口径軸収束タイプのミュオンチャネルの開発を行っている。この際大量にミュオンを発生させる際に必然的に伴う高強度の放射線に耐えられるよう初段には「常伝導ソレノイド磁石系」を用い、その下流に設置される「湾曲型超伝導ソレノイド」による効率的な輸送と低バックグラウンド化をはかり、最後に実験標的位置に焦点を結ばせる為にこれまで我々のグループにより開発されてきた「大オメガ(軸収束型超伝導磁石系)」タイプの収束系を用いる。このような新しいコンセプトのビームチャネルをJ-PARCミュオン施設に設置した場合、世界最高強度(正ミュオン109/s、負ミュオン108/s、従来型の約20倍の効率)のパルスミュオンビームを発生させることが可能となる。本年度は超伝導コイルの実機を作製した。また磁場の精度がビーム特性にかかわるため、共同研究者の齊藤・岩崎とともに磁場測定装置の開発を進めた。磁場測定装置は高精度NMRプローブを3次元的にスキャンさせることで、磁場マッピングを効率よく測定できる。現在コントロール系の構築も終了し、測定準備は整っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度計画が超電導コイル実機製作までであったが、予想以上に作業が進み、磁場測定装置の開発まで進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、全システムの完成とともに、ビームコミッショニングを行う。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] The Status of the Superomega Muon Beamline2011
Author(s)
Y. Ikedo Y. Miyake, K. Shimomura, P. Strasser, K. Nishiyama, N. Kawamura, H. Fujimori, S. Makimura, A. Koda, K. Nakahara, T. Ogitsu, Y. Makida, T. Adachi, M. Yoshida, A. Yamamoto, T. Nakamoto, K. Sasaki, K. Tanaka, N. Kimura, W. Higemoto, Y. Ajima, K. Ishida, Y. Matsuda, and A. Sato
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Journal Title
AIP Conf. Proc.
Volume: 1382
Pages: 220-222
DOI
Peer Reviewed
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