2012 Fiscal Year Annual Research Report
大強度パルスミュオン発生のための湾曲ソレノイド開発
Project/Area Number |
22244033
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
下村 浩一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (60242103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 直人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (20321763)
豊田 晃久 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (20373186)
深尾 祥紀 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (80443018)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ミュオン / ビームライン / 超伝導電磁石 / 高放射線場 |
Research Abstract |
我々は大口径軸収束タイプのミュオンチャネルの開発を行っている。この際大量にミュオンを発生させる際に必然的に伴う高強度の放射線に耐えられるよう初段には「常伝導ソレノイド磁石系」を用い、その下流に設置される「湾曲型超伝導ソレノイド」による効率的な輸送と低バックグラウンド化をはかり、最後に実験標的位置に焦点を結ばせる為にこれまで我々のグループにより開発されてきた「軸収束型超伝導ソレノイド」タイプの収束系を用いる。このような新しいコンセプトのビームチャネルをJ-PARCミュオン施設に設置した場合、世界最高強度(正ミュオン109/s、負ミュオ108/s、従来型の約20倍の効率)のパルスミュオンビームを発生させることが可能となる。平成24年度にはこのうち「湾曲型超伝導ソレノイド」および「軸収束型超伝導ソレノイド」を完成させた。ついで、「湾曲型超伝導ソレノイド」において、本科研費で施策した磁場測定器を用いてその磁場分布を測定し、当初の設計通りになっていることを確かめた。また「軸収束型超伝導ソレノイド」については構成する超伝導電磁石コイルの磁場分布の測定をおこなった。これらの準備をへてJ-PARCミュオン施設に設置し、ビーム取り出し試験をおこない、当初の予定通りの性能を発揮することがしめされた。この際、ビームプロファイル測定には、本科研費で開発された、新しいタイプのモニター(CCDカメラとシンチレータを組み合わせたもの)が使用された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度には当初予定していた装置は完成し、その性能を確かめることができた。ただし、湾曲ソレノイド先頭部分のビーム由来の温度上昇が当初の見積もりより高い傾向がみられ、現在その原因を調査中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は本科研費の最終年度にあたり、これまで蓄積してきたデータをもとに論文作成、国際会議への報告に努める。また湾曲ソレノイド先頭部のビーム由来の温度序章については条件を変えながら測定を行うことにより、その下原因を究明する、この作業は今後の同じ型のビームラインの設計には非常に重要な情報となる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Status of the Superomega Muon Beam Line at J-PARC2012
Author(s)
Y. Ikedo, Y. Miyake, K. Shimomura, P. Strasser, K. Nishiyama, N. Kawamura, H. Fujimori, S. Makimura, A. Koda, T. Ogitsu, Y. Makida, T. Adachi, K. Nakahara, M. Yoshida, A. Yamamoto, T. Nakamoto, K. Sasaki, K. Tanaka, N. Kimura, W. Higemoto, Y. Ajima, K. Ishida, Y. Matsuda, and A. Sato
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Journal Title
Physics Procedia
Volume: 30
Pages: 34-37
DOI
Peer Reviewed
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