2013 Fiscal Year Annual Research Report
非可食系バイオマスからの新規生分解性バイオベースプラスチックの創製と高性能化
Project/Area Number |
22245026
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 忠久 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30281661)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | バイオマス / ヘミセルロース / 天然多糖類 / プラスチック / 繊維 / フィルム / 機械的物性 / 生分解性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プラスチック生産における石油依存および可食系原料の利用から脱却し、真の持続的な物質循環型社会を構築するために、非可食系バイオマス(草本系バイオマス、農産廃棄物)から微生物発酵合成および化学合成の手法により新規なバイオベースプラスチックの創製を目的とする。特に出発原料としては、これまでほとんど利用されたことのないヘミセルロースに着目して研究を進める。さらに、新規な成形加工・複合材料化技術を開発することにより、高強度・高弾性率繊維、ナノファイバー、高耐熱性フィルムなどの高機能性材料を創出するとともに、一部のバイオベースプラスチックについては環境分解性や酵素分解性を評価し、生分解性を含めた高性能化研究を行い、新たな生物化学産業創出に向けた基礎的知見を得ることを目的とする。 本年度は、様々な天然多糖類のエステル誘導体を合成し、その基礎物性(分子量、熱的性質および機械的性質)を測定した。その結果、キシランエステル、グルコマンナンエステルおよびプルランエステルが非晶性ポリマーであるのに対し、一部のカードランエステルは融点を有する結晶性ポリマーであった。全ての多糖類のアセテートおよびプロピオネート誘導体は、ガラス転移点が100℃を越え、非常に優れた耐熱性を有することが分かった。キシランエステルのうち、キシランプロピオネートおよびキシランブチレートを0.1%の割合でポリ乳酸に添加すると、半結晶時間が劇的に短縮されたことから、キシランエステルがポリ乳酸に対して非常に優れた結晶核剤に成ることが分かった。グルコマンナンエステルは非晶性であるが特に高いガラス転移点を有し、ポリカーボネート以上のTg>135℃を有することが分かった。また、アセチル基とブチリル基からなる混合エステルでは、アセチル基の置換度に応じて、直線的にTgが増加することも分かった。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(16 results)