2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246008
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
三宅 康博 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80209882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長嶋 泰之 東京理科大学, 理学部, 教授 (60198322)
池戸 豊 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 博士研究員 (90415050)
PATRICK Strasser 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 研究機関講師 (20342834)
牧村 俊助 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 技師 (10391715)
藤森 寛 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 先任技師 (60391786)
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Keywords | ミュオン / 超低速ミュオン / 負ミュオニウム / レーザー / 共鳴イオン化法 / 表面 / 界面 / 水素 |
Research Abstract |
これまでにパルス状ミュオン(μ)ビームと真空紫外レーザー(VUV)光を組み合わせるという新しい手法により、従来不可能とされた低速・高エミッタンス・高時間分解能を有し、且つ従来の1/100のビーム径をもつ超低速μビームを創り出すことに成功している。しかしながら、超低速μビームをプローブとした表面物性研究をさらに進展させるためには、打ち込み深さを1 nmの精度で制御可能ならしめると同時に、μのスピン状態を制御する開発が極めて重要である。本研究では、超低速μビームの単色性の向上・マイクロビーム化を行うための低温度超低速μ生成標的の開発及びμが電子を2個有するMu-ビームの開発を行うことを目的としている。本研究の最終目標は、表面水素研究やナノ物性研究ひいてはスピントロニクス等の産業応用に展開が待ち望まれている画期的な表面・界面研究のプローブとして、完全偏極・高輝度超低速μビームを誕生させることである。 今年度は、標的チャンバー、Csイオン源の製作を行い、標的であるタングステン(W)の仕事関数を小さくし、低温でもMuならびにMu-を真空中に取り出すための準備、実験を行う予定であったが、東日本大震災の影響で、実験装置の製作・整備、実験を繰り越さざるを得ない状況となった。今後は、J-PARC復旧後に本実験を行い、特に、表面の仕事関数を下げる為のCs、ならびにNa蒸着実験を最優先で実施する計画でいる。
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