2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22246110
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大塚 耕司 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90213769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 敬之 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所(環境情報部、環境研究部、食の安全, 水産研究部, 主幹研究員 (10503930)
矢持 進 大阪市立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30315973)
中谷 直樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30326277)
新井 励 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60508381)
石井 孝定 大阪府立大学, 21世紀科学研究機構, 教授 (70508796)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 海産バイオマス / メタン発酵 / 低炭素効果 / 環境再生 |
Research Abstract |
○堺浜北泊地の水質モニタリング:平成23年度までに基礎データは取得できたため、本年度はそれらのデータを解析し、藻類大量培養等のシミュレーションに用いることのできる環境データベースの構築を開始した。○藻類大量培養:堺市築港にあるシキボウ堺敷地内に、藻類大量培養プラントを設置し、シオグサとアオノリの野外における生長速度の基礎データ取得予備実験を行った。○海藻からの有用物質抽出:フダラクから多糖類カラギーナンを抽出する方法を実験的に明らかにした。また、ミルから有用物質を抽出する方法として、亜臨界水処理法、亜臨界アルコール処理法、熱重量分析処理法、超音波処理法、の4方法による実験を系統的に行い、それぞれの処理法によって抽出される物質と、その量を測定した。○バイオマス処理プラント技術開発:前年度に引き続き大阪府立大学内にある実験室において、メタン発酵実験を行った。本年度は、特に食品系廃棄物を想定したバイオマスおよび小型底曳き網漁によって回収される水産廃棄物系バイオマスの基本的なメタン発酵効率の把握に着目した実験を行った。○バイオマス量推定:前年度に引き続き大阪湾内における底曳き網漁から出る廃棄バイオマス量の推定、ならびに塩性湿地におけるグリーンタイドによる海藻大量発生量の推定を行うとともに、堺市、大阪市を中心とする食品系廃棄物の回収量の調査を開始した。○全体システム設計:堺浜を拠点とするいくつかのシナリオに沿ったバイオマス処理プラントの規模を想定し、バイオマス収集から処理に至るシステム全体の規模の推定を行った。○環境再生効果評価および低炭素効果評価:海域からの栄養塩除去量の推定を基本とする環境改善効果評価、および化石燃料の代替施設としての二酸化炭素削減量を基本とする低炭素効果評価に関する計算手法を開発し、単純化したプラントのモデル計算を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
○堺浜北泊地の水質モニタリング:平成24年度まで行う予定であった水質モニタリングの基礎データ収取を平成23年度までに終えることができた。○藻類大量培養:藻類大量培養プラントは、堺浜に設置を予定していたものの、様々な外部条件から断念せざるを得なくなった。しかし、堺市築港にあるシキボウ堺の協力を得ることに成功し、その工場敷地内に、プラントを設置することができた。○海藻からの有用物質抽出:当初H24年度から開始する計画であったが、2年前倒しに開始し、H24年度で計画していたすべての実験を終えることができた。○バイオマス処理プラント技術開発:予算の削減により、実証プラントの制作ラボベースの実験を充実させた。○バイオマス量推定:水産廃棄物系バイオマス量推定、および塩性湿地におけるグリーンタイドによる海藻大量発生量の推定は計画通り行うことができたが、堺市、大阪市を中心とする食品系廃棄物の回収量の調査が予定より1年遅れている。○全体システム設計:堺浜を拠点とするいくつかのシナリオに沿ったバイオマス処理プラントの規模を想定し、バイオマス収集から処理に至るシステム全体の規模の推定は計画通り行った。○環境再生効果評価および低炭素効果評価:計画通りH24年度から評価手法の開発を行い、H25年度に具体的な計算を実施する予定となっている。 以上のように、計画より早く進んでいる項目と若干遅れている項目があるものの、全体としてはおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
○堺浜北泊地の水質モニタリング:平成24年度までに基礎データは取得できたため、本年度はそれらのデータを解析し、藻類大量培養等のシミュレーションに用いることのできる環境データベースを構築する。○藻類大量培養:藻類大量培養プラントを拡張し、主にシオグサとアオノリの野外における生長速度の季節変化を確かめる実験を行い、実用化を見据えた藻類大量培養による栄養塩除去効果を評価・推定する。○海藻からの有用物質抽出:平成24年度までに基礎実験は修了しており、本年度は、いくつかある抽出方法について、実用化を想定した経済性評価を行って比較検討し、最も効率的な有用物質抽出プラントを提案する。○バイオマス処理プラント技術開発:引き続き大阪府立大学内にある実験室において、メタン発酵実験を行う。特に乾式メタン発酵の発行効率の把握、廃熱を利用した前処理技術の検討、野菜加工場から出る食品系廃棄物と海産バイオマスの混合処理におけるメタン発酵効率の把握、発酵残渣の液肥・堆肥としての性能把握等に焦点を当てた実験を行う。○バイオマス量推定:大阪湾内における底曳き網漁から出る廃棄バイオマス量の推定を行うとともに、堺市、大阪市を中心とする食品系廃棄物の回収量の推定、発電所取水管等に付着するイガイ除去量の推定などを行う。○全体システム設計:堺浜を拠点とするいくつかのシナリオに沿ったバイオマス処理プラントの規模を決定し、バイオマス収集から処理に至るシステム全体の設計を行う。○環境再生効果評価および低炭素効果評価:H24年度に開発した評価手法を用いて、上記シナリオに沿った環境改善効果および低炭素効果の評価を行う。
|
Research Products
(9 results)