2012 Fiscal Year Annual Research Report
岩石の亀裂自己修復機能とその強度・破壊制御への応用
Project/Area Number |
22246114
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金子 勝比古 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20128268)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 了 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00304022)
奈良 禎太 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00466442)
伊藤 真由美 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10339690)
椋木 俊文 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (30423651)
廣吉 直樹 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50250486)
坂口 清敏 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (50261590)
原田 周作 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80315168)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 岩石 / 亀裂 / 自己修復 / X線CT / 亀裂充填 / 3次元画像処理 / EPMA / 破壊力学 |
Research Abstract |
岩石の亀裂自己修復機能に関する基礎的検討を実施し,以下の成果を得た。 (1)低速亀裂伸張実験:火成岩のDT試験結果を分析し,サブクリティカル亀裂進展パラメータと岩種,温度,湿度,水質などの関係を定量化した。そして,(3)に示す方法で種々の環境条件の下で岩石の長期強度を予測した。また,低速亀裂進展に及ぼす力学的影響と化学的影響の相互関係を明らかにした。 (2)亀裂自己修復実験:亀裂自己修復に関して,人工亀裂を導入したコンクリート供試体の長期浸漬試験結果を分析し,析出鉱物と析出速度を定量化した。特に,X-CTとEPMAの組み合わせにより,析出領域の3次元形状とその時間変化とともにその元素組成を明らかにすることに成功した。そして,析出速度は亀裂入り口で高いこと,亀裂の入り口と奥部では析出鉱物が異なること,海水は地下水に比較して析出速度が速いことなどを明らかにした。また,同様な浸漬実験を岩石に大して実施し,岩石でも同様な析出が起こることを確認した。さらに,天然に存在するビーチロックの組成,微視構造および物理特性を分析し,早期固結のための環境条件を実験的に検討した。 (3)亀裂進展・修復プロセス解析法:亀裂の低速伸長現象を数値モデル化し,岩質材料の長期強度を予測する方法を提案した。提案した手法を,廃棄物容器材料の高強度コンクリートに適用し,温度・湿度などの環境条件の制御により長期強度は大幅に改善される可能性があることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
亀裂の自己修復に関しては鉱物析出(修復)領域の3次元形状,析出(修復)速度,さらに析出鉱物の組成などが解明され,現象の定量的理解が進んだ。DT試験による超低速亀裂進展挙動計測は継続中であるが,アルカリ溶液中では岩石表面に鉱物が析出することが確認できた。また,3次元亀裂進展解析は当初計画通り順調に進行している。以上から,一部計画以上の進展はあるが,全体としては概ね順調に進展していると自己評価する
|
Strategy for Future Research Activity |
低速亀裂進展実験,亀裂自己修復挙動,3次元亀裂進展解析に関しては当初計画に沿って研究を進展させる。さらに,ビーチロックなど天然の修復挙動については室内実験とともに原位置試験を実施する。
|