2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22247012
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
吉川 信也 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (40068119)
|
Project Period (FY) |
2010-05-31 – 2013-03-31
|
Keywords | 生体エネルギー変換 / 膜タンパク質 / 金属タンパク質 / X線結晶構造解析 / 振動分光解析 |
Research Abstract |
ウシ心筋チトクロム酸化酵素のX線回折実験条件の詳細な検討により、X線構造の分解能を酸化型/還元型それぞれ1.8/1.9Åから1.5/1.6Åに向上させることに成功した。その結果Mg2+部位の配位構造とCuAとヘムaとの間の電子伝達経路に酸化還元に伴う立体構造変化が検出された。さらに、Mg2+部位を中心として、21個の水分子で構成されている水クラスターが分子表面とも酸素還元中心とも隔離されておりプロトンの出入りは生理的時間内には無視できること、4当量のプロトン受容官能基がクラスター壁面に配置されていることが示された。また短い水素結合ネットワークがこの水クラスターと本酵素のプロトンポンプ経路(H経路)とを連結していた。これらの結果はこの水クラスターがポンプ用プロトン4当量を効率よく取り込み、一時保管する機能を持つことを示している。さらにH経路のX線構造とCO光解離後の赤外吸収スペクトル変化とを詳細に比較検討した結果CuBがH経路の逆流防止とプロトン取り込みのために経路の開閉を制御していることが明らか担った。これらの結果はH経路プロトンポンプ機構に関して残された最も大きな問題を解決する画期的成果といえる。 ウシ心筋NADHユビキノン還元酵素のFMNの共鳴ラマンスペクトルをこれまでに報告されているフラビンタンパク質のどれよりも高精度で測定することに成功し、X線構造を参照して活性酸素防御機構を演繹した。 哺乳動物チトクロムc/チトクロム酸化酵素複合体の2次元結晶化条件の詳細な検討に基づいて、チトクロムc結合がチトクロム酸化酵素の膜貫通領域の立体構造を変化させること示した。これは呼吸調節機構の解明の端緒となる可能性のある重要な発見である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|