2010 Fiscal Year Annual Research Report
中深層性大型頭足類とマッコウクジラの共進化的行動生態に関する先駆的研究
Project/Area Number |
22248024
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
窪寺 恒己 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 海生無脊椎動物研究グループ長 (80170041)
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Keywords | 大型頭足類 / マッコウクジラ / 水中撮影システム / バイオ・ロガー / 行動解析 / 共進化 / スカベンジャー群集 / 餌選択性 |
Research Abstract |
大型頭足類チーム:当初計画通り後藤アクアテックスと超小型深海HDカメラシステムと特殊LED超小型深海ライトの開発に着手し、10月初頭に2組のプロトタイプを完成させた。10月19日~11月5日に小笠原父島に赴き、漁船(第八興勇丸)を傭船し新規開発のカメラシステム2台と既存のシステム3台を用いて、水深600mから900mの中深層でHDビデオ撮影を行った。延べ54時間のビデオ映像が撮影され、アカイカ、ヒロビレイカ、ツノザメ数種、深海エビ類などの動画が記録された。それらの行動生態など、現在解析中。 マッコウクジラチーム:9月8日~9月25日小笠原父島に赴き、漁船(新盛丸)を傭船し既存の静止画カメラロガー(カメラ・フラッシュ・加速度ロガー、VHS発信機内蔵)と行動記録ロガー(3D加速度計)を新たに開発したロング・ポール式取り付け装置を用いてマッコウクジラ頭部付近に取り付けることを試みた。3頭のマッコウクジラに静止画カメラロガー、1頭に行動記録ロガーの取り付けに成功し、約4000枚の静止画および3D加速度データを得ることができた。また、今までにほとんど記録のないアカボウクジラ1頭に行動記録ロガーを取り付けることができ、アカボウクジラの潜水行動に関する貴重なデータも得ることができた。静止画像・加速度データは、現在解析中。 駿河湾底生スカベンジャー群集グループ:5月~10月にかけて4回、駿河湾興津沖の水深800mの地点において深海HDカメラシステムを取り付けた櫓とその下に誘引物質となる様々な餌(サバ・サンマ・スルメイカ等)を並べ、海底に下し蝟集する動物の撮影を行った。ホラアナゴ、コンゴウアナゴ、ツノザメの仲間、オオグソクムシなどが出現し、季節的変遷とそれらの餌選択性、摂食行動など解析中。
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Research Products
(3 results)