2011 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質動的状態(ドラマタイプ)のケミカルコントロール
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22249006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 祐一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (90164798)
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Keywords | トラフィッキング / フォールディング異常症 / 蛋白変性症 / マルチテンプレート / 核内受容体リガンド / 生理活性物質 / 酵素阻害剤 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
当初研究計画に記載の内容(4柱【柱1:タンパク質の局在・凝集・寿命の正常化】【柱2:タンパク質の分解排除の制御】【柱3:タンパク質フォールディングの精密制御】【柱4:マルチテンプレートライブラリー】)に乗っ取り、平成23年度には以下の成果を上げた。 【柱1】対象とするタンパク質を、平成22年度までに集中的に研究していた、網膜色素変性症の原因蛋白である変異ロドプシンから、ニーマン・ピック病C型の原因蛋白である変異NPC1ならびにその関連蛋白であるNPC1L1、加えて進行性家族性肝内胆汁うつ滞症の原因蛋白である変異BSEPに拡充し、そのトラフィッキング異常を修正する化合物群の創製に成功した。NPC1については、新たな(第2の)ステロイド結合部位の存在を示した。 【柱2】分解排除の滞症とするタンパク質を、平成22年度までに集中的に研究していたCRABPから、核内受容体(レチノイン酸受容体、アンドロゲン受容体、エストロジェン受容体)に演繹拡張し、それぞれについて、特異的な分解排除誘導剤の創製に成功した。 【柱3】肝臓X受容体(LXR)に関して、その遺伝子応答配列依存的なトランスアクティベーション作用とSUMO化依存的なトランスリプレッション作用とを完全分離することに、LXRのリガンド結合部位にあるヘリックス12のフォールディングを精密に制御しうる化合物の創製により成功した。 【柱4】テトラヒドロナフタレン型マルチテンプレートからは成人T細胞白血病細胞に対する選択的な増殖阻害剤を、サリドマイド型マルチテンプレートからはPPARやLXRならびにグルコシダーゼ等のメタボリックシンドローム関連機能蛋白に対する阻害剤、加えて抗C型肝炎ウイルス剤、ならびに核酸制限酵素阻害剤、の創製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
対象とする、存在状態の制御研究を行うタンパク質について、質(疾病発症・治療)との関連ならびに多様性とも、予想以上の充実・拡充に成功している。網膜色素変性症に加えて、いずれも難病であるニーマン・ピック病C型や進行性家族性肝内胆汁うつ滞症に対する新しい治療戦略が提案でき、NPC1については従来知られていなかった、しかしその機能において重要と考えられる新たなリガンド結合部位の発見に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進行している。今後の2年間、【柱1:タンパク質の局在・凝集・寿命の正常化】【柱2:タンパク質の分解排除の制御】については、得られつつあるインパクトの大きな課題(NPC1蛋白の従来知られていなかった新たな結合部位、従来方法がなかった特定タンパク質の分解排除)について重点的に基礎研究を進める。 次点の優先度で【柱3:タンパク質フォールディングの精密制御】【柱4:マルチテンプレートライブラリー】に関する基礎研究を遂行する。【柱4】については、個別のテーマの進捗度合いによって、化合物の多様性の拡充を狙う基礎研究から、応用を狙う化合物最適化研究へとシフトさせていく。
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Research Products
(27 results)