2011 Fiscal Year Annual Research Report
スフィンゴミエリンKOマウスを用いた自己免疫疾患の発症機序の解明と治療法への応用
Project/Area Number |
22249041
|
Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
梅原 久範 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70247881)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 和一 関西医科大学, 医学部, 教授 (70145126)
岡崎 俊朗 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40233308)
渡辺 研 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 運動器疾患研究部, 室長 (10342966)
|
Keywords | 関節リウマチ / リピッドラフト / スフィンゴミエリン / コラーゲン誘導関節炎 |
Research Abstract |
自己免疫性疾患の病因をT細胞膜上のラフト機能の面から明らかにするために,スフィンゴミエリン合成酵素(SMS1)を欠失したSMS1-KOマウスを用いて,(A)ConA誘発肝炎モデルで,自己免疫性肝炎の発症機序を解析した.(B)コラーゲン誘導関節炎モデルで,関節リウマチ(RA)の発症メカニズムを解析した. (A) 自己免疫性肝炎モデル:1)SMS1ノックアウトマウスの作製と維持:Homozygote のSMS1-KOマウスはsterile(不妊)であるために,Heterozygoteの掛け合わせで出産させ,4週齢においてgenocheckを行い,Homo, Hetero, Wildを同定する.2)各マウス群の末梢血,脾臓血,胸腺のリンパ球サブセットの解析,CD4陽性T細胞を抗CD3+CD4抗体で架橋刺激を加えた場合の,細胞増殖能,サイトカイン産生能(IL-2, IFN-γ, IL-4, IL-6, TNF-α, IL-12, IL-18),細胞内チロシンキナーゼ活性などを検討した結果,明らかにSMS1-KOマウスのT細胞機能が低下していた.ConA誘発肝炎の発症はSMS1-KOマウスで有意に低下していた. (B) コラーゲン誘導関節炎モデル: 1)SMS1-KOマウス(B6系統)をコラーゲン誘導関節炎が容易に誘導できるDBA1マウス系統に交配を繰り返し,SMS1-KOマウス(DBA1系統)の継代を10代目まで行った.2)II型コラーゲンとアジュバンド投与による関節炎の発症は,有意にSMS1-KOマウス(DBA1系統)で低下していた.現在,関節炎におけるリンパ球浸潤,サイトカイン産生等を検討中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ホモマウスは無精子症で繁殖能力がなく、ヘテロマウスの交配によりノックアウトマウスを作成しなければならない。その場合にも、SMS1ホモマウスが生まれる確率が低く、実験のためのノックアウトマウス確保が順調に進まず、計画が遅延している。
|
Strategy for Future Research Activity |
より、効率にノックアウトマウスの生まれるペアの決定を行った。また、配合マウス組み合わせを増やし、多くの仔マウスを得て、ジェノチェックを行い、SMS1ホモノックアウトマウスの確保に努める。
|
Research Products
(7 results)