2012 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓移植における重水を主体とした新規臓器保存液の開発
Project/Area Number |
22249048
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤堂 省 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60136463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 健一郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (00399940)
深井 原 北海道大学, 大学病院, 医員 (60374344)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 臓器保存 / 臓器保存液 / 冷保存再灌流障害 / 灌流保存 / 移植片機能不全 / 心臓死ドナー / 臓器移植 / 肝移植 |
Research Abstract |
細胞実験: 小腸上皮、心筋、尿細管上皮、肝細胞の細胞株において重水含有新規臓器保存液はUW液と比較し、細胞内Ca2+濃度の上昇を阻害し、Calpain, Caspase3/7の活性を抑制し、アポトーシスを阻害した。冷保存終了時のATP量を保ち、壊死を軽減し、細胞骨格アクチンの脱重合を阻害した。ミトコンドリア膜電位の低下を抑制し、再酸素化後の膜電位回復を促進した。新液は冷保存による細胞死を複数の機序で阻害した。 小動物の臓器冷保存:1) ラット心: UW液で48時間冷保存後に移植すると全例が10分以内に拍動を停止したが、新液では全例が7日間拍動した。24-36時間の冷保存後の心移植でも新液はUW液を陵駕する保護効果を示した(Wakayama et al. 2012 Transplant Int)。2) ラット肝: UW液で48時間冷保存後に単離肝灌流装置で再灌流すると、門脈抵抗、灌流液中肝逸脱酵素活性が上昇し、広範に壊死組織が認められ、酸素消費率、胆汁産生量が減少した。新液では全項目が改善した。3) 心停止ラット肝: 45分の心停止後にUW液あるいは新液で6時間冷保存し、単離肝灌流装置で再灌流した。新液群ではUW液よりも良好な門脈圧、組織所見を示したが、胆汁を産生しなかった。胆管の酸素化が必要と考えられた。 大動物の臓器冷保存:1) イヌ肝冷保存では、新液はUW液と比べ、血液のwash outが悪く、均一に灌流されなかった。イヌ腎でも同様であった。 In situ灌流後の排液中に凝血塊を認め、PEGによる副作用と考えられた。2) 重水の効果:HTK液の30%重水化により重水の有効性を評価した。イヌ腎72時間単純冷保存・移植モデルにおいて重水化はHTK液の効果を増強しなかった。 問題点: 小動物マージナルモデルでの効果は不十分であり、また、凝血を促進させない工夫が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(26 results)