2012 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌の難治性メカニズムに基づいた先端的治療開発
Project/Area Number |
22249050
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田中 真二 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30253420)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70190999)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 消化器癌 / 難治性癌 / プロテアソーム / 非対称性分裂 / 活性酸素 / 転移能 / マクロファージ / マイクロアレイ |
Research Abstract |
癌細胞の特徴として一般にプロテアソームが高活性状態にあるが、我々は難治性癌の中にプロテアソーム活性が極めて低下した少数の癌細胞集団が内在することを見出した。本研究では、プロテアソーム活性低下に伴い 緑色蛍光を発する可視化システムを構築し、肝細胞癌の手術臨床検体およびヒト肝癌培養細胞へ導入した。その結果、臨床検体および培養細胞において、肝癌細胞全体の約0.5%にプロテアソーム活性が低いGhigh分画の存在を確認した。Ghighの非対称性分裂によりGlowが生じること、GlowからはGhighが生じないこと、GhighはGlowに比べ細胞分裂が遅いことを確認した。FACSで分離した低酸素条件下の長期培養により、Ghigh 細胞比率は14日間で0.5%→28.0%へ上昇を認めた。疑似低酸素条件下ではGhigh肝癌細胞の対称性分裂が活発となりGhigh比率が6.51%に上昇し抗癌剤耐性を獲得すること、低酸素誘導因子阻害剤によって特異的に抑制されることが明らかとなった。 Ghigh細胞は活性酸素種(reactive oxygen species; ROS)の細胞内濃度が有意に低値であることを見出し、GhighROSlow細胞分画をソーティングして解析した。DNAマイクロアレイ解析により、GhighROSlow肝癌細胞で特徴的な遺伝子シグネチャーを持ち、特にケモカイン・ネットワークの亢進を検出した。ヒトマクロファージ細胞を用いた解析により、GhighROSlow肝癌細胞が高いマクロファージ遊走作用を呈することを証明した。GhighROSlow肝癌細胞はNOD-SCIDマウスにおいて高い腹腔転移能を示し、生体内でもマクロファージの集簇を認めた。さらに肝細胞癌の臨床検体における解析によって、GhighROSlow肝癌細胞の遺伝子シグネチャーが術後再発と極めて高い相関を示すことを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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