2011 Fiscal Year Annual Research Report
基幹的細胞調節経路の異常に起因する消化器がんの病態解明とがん制御への応用
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22249051
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
源 利成 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (50239323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 和之 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (00293358)
太田 哲生 金沢大学, 医学系, 教授 (40194170)
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Keywords | 大腸がん / 細胞特性 / 分子特性 / 診断 / 治療 |
Research Abstract |
本研究では,我々が発見したWnt/β-カテニン経路の新規転写標的分子の機能解析,この分子を介するWntとhedgehog(Hh)経路の交差応答の可能性および、がん細胞の極性喪失にともなう細胞接着因子の発現変化とβ-カテニン活性化の関連性など,新しい視点によるβ-カテニンがん化経路の病的作用の解明を目的とする.また,我々が同定した新規標的分子GSK3βががん細胞で誘導する固有のリン酸化分子経路の阻害による「制がん作用」の分子機構を解明し,GSK3βを標的とする消化器がんの新しい治療法の開発に結びつける. 1.大腸がんにおけるRNAトランス因子CRD-BPの機能と病的作用の解明 少数の大腸がん症例を対象に,がん組織におけるβ-カテニン,CRD-BPとその関連分子の発現の相関をおもにRT-PCRで解析し,初年度の細胞レベルでの解析結果を検証した. 2.腸上皮細胞の極性輸送因子μ1Bの異常と大腸がんにおけるβ-カテニン活性化の関連 APC変異(APC^<min+/-)マウス腸管腫瘍におけるμ1B,E-カドヘリンの発現とβ-カデニンの局在と活性化を比較解析した.これにより,細胞レベルで観察されたμ1Bの発現異常とβ-カテニンシグナル活性化の関連を検証した. 3.GSK3β阻害による消化器がん抑制効果とその分子メカニズムの検討 GSK3β阻害が,膵がん細胞の運動や浸潤を制御するメカニズムとして,特定の分子経路と細胞微細形態の変化を明らかにした(論文投稿中). 4。ヒト消化管(大腸,胃)がん組織検体の資源化と臨床・分子情報のデータベース化 大腸がん850例と胃がん230例の組織検体を集積し,資源化した.これらの検体におけるがん関連遺伝子異常の系統的解析と臨床情報を併せてデータベースの構築を継続した.121例の大腸がん症例を対象に,富山大学附属病院外科病理学講座および(株)パソロジー研究所と共同で,同一症例のがん組織と正常(非がん部)粘膜が対となるように組織アレイをデザイン,作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRD-BPとhTERTとの関連に関する研究計画(下記)のほかは,おおむね順調に進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の開始当初,CRD-BPは,その結合配列を有するhuman telomerase revorse transcriptase(hTERT)mRNAを安定化するという仮説のもとに,米国の共同研究者らとともに検証を試みたが,予想された結果は得られなかった.このため,この研究計画は継続しないこととした.これ以外は,当初の研究計画に沿って継続,遂行する予定である.
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Research Products
(28 results)