2011 Fiscal Year Annual Research Report
変形性腰椎症の分子病態解明と治療標的分子同定を目指した戦略的研究
Project/Area Number |
22249056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40282660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 勝士 東京大学, 医学系研究科, 教授 (40163977)
阿久根 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60282662)
竹下 克志 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30262009)
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30456107)
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Keywords | 脊椎脊髄病学 / 変形性腰椎症 / ゲノムワイド関連解析 |
Research Abstract |
我々が保有する大規模データベースについて、初年度に因子分析による潜在的要因・背景に存在する要素の分析を行いデータベースを階層化・層別化して危険因子の重みづけで平均化した。本年度はデータベースからcontrol(全椎間KL1以下)200例、case(全椎間KL3以上)200例を無作為抽出して、Affymetrix Genome-Wide Human SNP Array 6.0を用いてゲノム上のほぼ全てのSNPのジェノタイピングを行い、ジェノタイピングした全ての多型について、SNP間に於ける連鎖不平衡係数を算出し、連鎖不平衡ブロックとハプロタイプ頻度を推定して疾患感受性ブロックを絞り込んだ。続いて疾患感受性ブロック内の全SNPについて、DigiTag2法によって高速・高精度なリシークエンスを行った。得られたより正確な多型情報から各SNPおよびハプロタイプの疾患との相関を解析し、疾患感受性遺伝子、もしくはゲノム領域を同定した。その結果としてp値が10^<-7>以下の強い疾患感受性を示す遺伝子が複数得られた。この中で最も相関の強い遺伝子Xについて、その発現をマウスで解析したところ、椎間板線維輪に発現が見られた。またヒト手術サンプルを用いて解析したところ、やはり椎間板線維輪に発現することが判明した。より詳細な機能を解析するため、その遺伝子Xのノックアウトマウスの作成に着手した。またその遺伝子Xの領域にあるSNPはintronやexonに多数散在していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、疾患感受性の強い遺伝子を複数同定することができ、さらに一番強い遺伝子Xについては脊椎での発現も確認することができるなど、GWASに関する経過としては極めて順調であるが、in vitroストレスモデルの開発については細胞間、実験間によるばらつきなどがあって安定した手法を確立できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子Xについてはin vivo,in vitro両面で機能を解析していくほか、他の疾患感受性遺伝子についても同様の実験を進めていく。In vitroストレスモデルについては、2次元圧縮モデルや単回水圧負荷モデルに加えて、反復水圧負荷モデルにも着手する。
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