2012 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素からとらえる環境利用と文化的適応の地理学的研究
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22251002
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夏原 和美 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 教授 (00345050)
小山 智之 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (00377904)
口藏 幸雄 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (10153298)
池口 明子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (20387905)
田和 正孝 関西学院大学, 文学部, 教授 (30217210)
鯵坂 哲朗 京都大学, 農学研究科, 助教 (40144349)
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808)
宮川 修一 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (60115425)
佐々木 敏 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70275121)
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (80153344)
村山 伸子 新潟県立大学, 生活科学部, 教授 (80219948)
李 善愛 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (90305863)
小野 映介 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90432228)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 微量元素 / 自然資源 / 物質循環 / 生業 / 健康 / ジンバブエ / パプアニューギニア / ラオス |
Research Abstract |
本研究は、自然環境に存在する微量元素摂取の観点から、野生生物資源の食用がどの程度人びとの健康および環境適応に寄与しているかを明らかにする。そして、微量元素摂取をつうじた地域の自然-人間生態系の物質循環系モデルを構築し、野生生物資源の食用が大きな役割を果たすのではないかという仮説を検証し、その地域循環モデルを構築することを目的とする。また、地理学をベースとして、栄養学、人類学、環境化学、生態学の文理にわたる多分野を統合し協働する研究を実施し、地理学的な地域諸要素を結びつける方法をミクロからマクロへつなぐものとして、かつ、フィールド実証型の新たな方法論を構築する。具体的には下記の項目の流れで研究を進めた。1.住民の食べている食物の種類と量を明らかにし、食事全体での位置づけ、流通における経済価値を明らかにする、2.摂取量の栄養・健康的貢献および物質循環を明らかにする、3.資源の生態と環境条件(土壌・植生)を住民の土地利用とを絡めて明らかにし、微量元素換算モデルを作成する、4.物質循環と人間生活の持続性のメカニズムを検討する。 2012年度は研究打ち合わせの後、南部アフリカ域の調査地を選定するため、南アフリカリンポポ州での調査地可能性と調査地選択のための準備調査を行った後、ジンバブエでの調査が適していることがわかり、ジンバブエで準備調査を実施し、事例集落の選定、土地利用、生業活動、食生活を明らかにした。比較調査としてベトナムでの食事生業活動調査も実施した。また、ラオス、パプアニューギニアで得られた食事資料の微量元素分析と考察を行い、有効なキーとなる微量元素を選定した。そして食事調査の継続的把握と季節性を把握することが必要と考え、パプアニューギニアの事例村での調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は本年度に南部アフリカ地域での現地調査を実施する予定で、現地研究協力機関との事前協議の上、夏期に予備調査を実施した。しかし、近年の現地の生活変化と村の受け入れ事情により本研究の条件を満たす対象村が得られなかった。これまでのラオス・パプアニューギニアでの研究成果との比較検討を行い、総合的な研究成果を得るためにはジンバブエで可能性を探ることが適切であろうと考えた。そこで、調査協力体制を作ることが必要となり、その結果、予備調査を実施できたのが12月となり、研究に適した調査期間の雨季(12~3月)期間の本調査は本年度には実施できなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を国際地理学会議等で発表し、議論を踏まえて、総合的な成果として提示する。また、前年度にできなかった南部アフリカ・ジンバブエでの調査を本年度に実施する。
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Research Products
(10 results)