2011 Fiscal Year Annual Research Report
近現代中国農村における環境ガバナンスと伝統社会に関する史的研究
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22251007
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弁納 才一 金沢大学, 経済学部, 教授 (90272939)
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90269572)
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Keywords | 水利灌漑 / 水利共同体 / 農業の集団化 / 環境ガバナンス / モラル・エコノミー / 山西省太原市 / 四社五村 / 山西省平遥県 |
Research Abstract |
1、昨年同様に、「中国語文献資料」が豊富に残存する山西省を中心として、都市近郊および遠郊農村の調査を実施した。中心調査地として、既に予備調査が完了し、ほぼ文献収集も完了した平遥県道備村を選定し、地理的社会的経済的構造の差異が、当該地域の環境ガバナンスにいかなる影響を与えているか検討した。 2、5年間を通しての部門別研究チームと研究課題を以下のように設定し、研究に従事した。 (1)水利灌溜・土壌研究チーム(1)水利灌概システムと給水・排水関係、(2)水源施設と水神信仰、(3)水利灌概施設と農村工業、(4)土壌改良と水質保全 (2)農業生産・市場関係研究チーム(5)農家経営における食糧生産と副業、(6)都市近郊農村における野菜栽培と販売ルートとの相関関係、(7)中国での野菜栽培市揚と有機農業経営 (3)農村家族・社会関係研究チーム(8)中国での「村民自治」論と,日本の地方自治、(9)中国での村内外における同族結合と地縁結合の関係、(10)現代農村における人口抑制政策と女性の社会進出、(11)現代中国農民の宗教活動と精神的世界観の変化、 (12)婚姻習慣から見た現代中国農民の生活観の変化 3、打合せおよび今後の計画遂行のための研究会を4月、7月に行ない、8月に主調査地である山西省平遥県で農村調査を実施し、さらに山西省中部山岳地帯の洪洞県及び霍州市の交界地帯の農村に現存する「水利共同体」の実態を調査した。併せて霊石県溝峪灘村を参観した。さらに12月に複数日に渡り中間発表会を実施し、次年度以降の調査計画を検討した。 4、学術交流のために、今後の中国側研究機関との共同研究において基幹的役割を果たすことが期待される華東師範大学から、副教授の張文明を4月に日本に招聘し、研究者間の意見交換をすると同時に、中国農村についての問題意識を共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
中国側共同研究機関としての役割を果たす山西大学中国社会史研究センターが我々の調査実施前に村幹部との交渉を進め、我々のインタビュー調査に協力できる体制を確立したこと、さらに「水利共同体」については、霍州市の水利局が協力してくれたので、当初の計画以上に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
環境問題に関心が高いこととも関与して、現地の行政当局の協力も得たので、当初の計画に基づいて本研究課題を推進することができると確信した。ただ、学術交流の面では、福島での原発事故に関しての不安からか、当初の招聘研究者が次年度以降への変更を希望したこともあった。ただ本研究課題の遂行にあたっての直接的な問題点ではない。
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Research Products
(24 results)