2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22251014
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
小泉 康一 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (50266227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 弘次 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (00185795)
墓田 桂 成蹊大学, 文学部, 准教授 (20407604)
成田 弘成 桜花学園大学, 学芸学部, 教授 (40189212)
児玉 克哉 三重大学, 人文学部, 教授 (50225455)
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Keywords | 都市難民 / 難民庇護申請者 / 難民の自助組織 / 難民の定住・同化 / アイデンティティ / 国際情報交換 / 多国籍 |
Research Abstract |
各国政府、市民組織、UNHCRの努力により、都市区域に住む難民の保護は、世界的に幾分、改善がみられる。しかし、現場を訪れて実際に様子を子細にみると、各々の計画の中で具体的に何をどう優先度をつけるのか、については各国政府も国連も、まだ方針が定まっていない。UNHCRはそれまでの"難民は難民キャンプで生活するべきだ"という考え方を修正して、都市での居住も正当なもの、と立場を変えつつある。難民キャンプでの援助に、高い優先度を置く従来からのやり方は、もはや正当化が難しくなってきている。 都市で難民を保護することは、国や地域の公的サービスを彼ら難民が得られるようにすることであり、就労権、身の安全への権利、適切な住居、移動の自由、任意の逮捕・勾留からの自由などの基本的人権を守ることである。しかし援助の基本となる、都市での難民の生活維持に必要な、時宜を得た「登録」と「公的書類」の発行が中々できていない。その理由の一つは、政府、国連、市民組織側の能力不足と資金不足にあるが、実行上の政治意思の問題がある。改善への兆候が見られる一方で、難民たちが基本的な権利を守られるためには依然、手続き上で官僚的な複雑さや遅れ、法律上の障害がある。 都市での難民の保護は、必ずしも難民キャンプ中心の援助配布よりも高上がりではない。今、最も効果的なのは、難民、市民社会、政府が一体となって、年齢、性別など、難民の多様性に配慮したコミュニティ・サービスを実現することである。マイクロ・クレジット計画も大事である。そのためには、コミコーニティ指導員が計画の中に、適切に位置づけられる必要がある。
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Research Products
(5 results)