2011 Fiscal Year Annual Research Report
歴史地区の修景に関する国際共同研究-文化財としての真正性に基づく修景理念と手法-
Project/Area Number |
22254006
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
斎藤 英俊 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30271589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 勉 長岡造形大学, 造形学部, 教授 (60280608)
稲葉 信子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (20356273)
宗田 好史 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70254323)
上北 恭史 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (00232736)
鳥海 基樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (20343395)
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Keywords | 歴史地区 / 修景 / 文化財 / 伝統的様式 / 真正性 |
Research Abstract |
23年度は、下記に掲げるようにフランス・台湾および国内各都市における修景事例の調査とデータ収集および比較検討を行った他、フランスから景観保存・文化財保存の専門家を招聘し、国際セミナーを開催した。また、各研究分担者はテーマに基づいた研究を進め、関連書籍の購入を行った。これにより、本研究の所期目的の多くを達成した。 ・8月18-25日:ドイツ(ナウムブルグ市、ヴェトリンブルグ市)の歴史地区の修景事例調査。(木村他) ・9月3-7日:韓国(ソウル)の歴史地区の修景事例、復原事例の調査、研究者・建築家との意見交換(ウーゴ) ・10月22日:研究会「歴史地区の修景を考える」(桐生市商工会議所主催)に参加し,発表した。(木村他) ・11月3日-14日:コロンビア共和国(ボゴタ市他)の歴史的集落における現代建築挿入に関する調査を行った。(北尾) ・2月13日-2月17日:中華民国(台南市)において歴史的地区の保存と活用に関する調査研究、および「歴史地区におけるデザインマネージメントに関する研究集会」(台南市成功大学)を開催した。(斎藤、八木、北尾他) ・2月28日-3月5日:フランスより3名の文化財・歴史地区保存専門家を招聘し、国際セミナー「歴史的環境に於ける現代性とは何か」(於:京都女子大学)を開催した。また、京都市内の歴史的町家の保存活用事例調査、宇治の茶畑の景観的景観保全状況調査を行い、意見交換を行った。(斎藤、八木、宗田、鳥海、北尾、ウーゴ他) ・3月4日:京都市右京区嵯峨野鳥居本重要伝統的建造物群保存地区において、「地域産木材による歴史地区の町並み形成に関する研究会」を開催した。(斎藤、北尾他) ・3月14-22日:フランス(ボルドー市、サン・テ・ミリオン市等)における歴史地区の修景状況、伝統的葡萄畑の文化的景観の修景状況の調査を行った。(鳥海、宗田) ・高山市、橿原市、日田市、八女市において、伝建地区の修景事例調査。(木村他) ・修景事例に現代的デザインを取り入れた修景事例について京都、佐原、川越において調査し分析を行った。(上北) ・京都市・金沢市・小浜市の7花街8地区において、元お茶屋の修景をおこなった設計者および施工者を対象にヒアリング調査(予備調査:221例、本調査:36例)を行い、仕事をすすめる際の意識について比較分析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の科学研究費は、配分が2回に分割され、遅れたことの影響で、7、8月に予定していた計画が実施できず2月~3月に延期された。その影響でフランスにおける調査の参加者が2名となったが、所期の目的は達した。その他の研究分担者は、中華民国や国内などにおいて調査を実施し、あるいは研究会を開催し、計画を順調に進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は主にイタリアの調査を行うが、フランスの補足調査、および22年度に実施できなかった中国の調査も予定している。25年度において、研究代表者・分担者が一堂に会して、研究のとりまとめを行う予定としている。
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