2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22255010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 輝久 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (60215390)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 優和 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70251014)
鯵坂 哲朗 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (40144349)
石田 健一 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (40232300)
道田 豊 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (20323628)
上井 進也 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00437500)
|
Keywords | アカモク / 流れ藻 / ホンダワラ / 起源 / DNA / シミュレーション |
Research Abstract |
東シナ海における流れ藻はアカモクという海藻1種で構成されており,本研究では,その流れ藻の起源を明らかにするのを目的の一つとしている.2010年に青島の中国科学院海洋研究所所蔵の標本から大連にアカモクが生息することが判明し,東シナ海に面する大連におけるアカモクの分布を確認するため調査が必要となった.平成24年 11月22日に京都大学大学院農学研究科助教鯵坂哲朗氏と日本を発ち.翌11月23日に大連海洋大学海洋環境科学部において,張国勝教授と面会し,我々訪問前の11月15日と11月20日 に,大連東部で事前に採集してもらったホンダワラ類を調べ,採集されたホンダワラ類がアカモクであることを確認し,大連周辺にアカモクが存在することを確認した.採集されたアカモクは,形態およびDNA分析のために,他の採集された海藻とともに持ち帰った. 11月24日は,大連周辺の日本人のアクセスが可能な旅順周辺の海岸を張国勝教授と一緒に調査を行った.25年度には,アカモクの繁茂期である5-6月に大連のアカモクの藻場でアカモクの分布の潜水調査することにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海南島から大連の中国大陸沿岸,台湾,九州,沖縄の東シナ海に面した各地で,アカモクの存在の有無の調査を行い,アカモクの標本を採集し,ミトコンドリアDNAのCox3による、流れ藻のアカモクとの類縁関係の調査を進めている.現在までの結果では,流れ藻と九州,中国大陸の南部のアカモクに比較的強い類縁関係がみられることが判った.試験的に実施した,東シナ海での流れ藻の漂流シミュレーションでも,流れ藻の起源が中国大陸であることが示されているので,これらの結果から流れ藻の起源が中国大陸であることを示しており,当初の目標を達成しつつある.
|
Strategy for Future Research Activity |
大陸各地と九州でのアカモクのミトコンドリアDNAのCox3の相違は,極めてわずかであるため,それだけでは,精確な起源を特定できないため,新たなDNAの遺伝子部位を検討する,DNAだけでの精緻な流れ藻の起源を探ることが難しいので,流れ藻の漂流シミュレーションに用いる海流シミュレーションのモデルの選択を検討し,流れ藻の起源となる場所の特定の精度を向上させる.
|
Research Products
(1 results)