2011 Fiscal Year Annual Research Report
実践の物語化による病院看護サービスの熟達を支えるオントロジー駆動分析エンジン
Project/Area Number |
22300055
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
松田 憲幸 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40294128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 光博 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90326364)
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (80212786)
橋田 浩一 独立行政法人産業技術総合研究所, 社会知能技術研究ラボ, 研究ラボ長 (00357766)
瀧 寛和 和歌山大学, システム工学部, 教授 (10304180)
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Keywords | 教育工学 / オントロジー工学 / エスノグラフィー |
Research Abstract |
看護師が自らの経験を語り、同僚看護師の語りを診断することで"考え方"の対立点を見出し、対象を複数の他者視点で俯瞰的に眺めることで、思考対象の具体例から汎化させた知識を新たに生み出す成長モデルを構築する。まず看護について考えるための"考える"をオントロジーに定義し、その上に看護師の"よく考える"を鍛えるため、考える表現として「書きやすい」表現と「眺めやすい」表現を設定して、それぞれについて自らの経験を振り返る編集ツールを実装した。オントロジーをベースにすることで、看護師の個々の事例を超越して比較が可能な思考リポジトリを構築できた。"考え方"を検索インデックスに多くの振り返り事例の中から、考えに該当する事例を抽出することができた。また連携する病院の協力を得て、実際にのべ28名の看護師の参加を得て、約1ヶ月間の研修を3回実施し、思考に対する姿勢や意識、優先順位をアンケートおよび半構造化インタビューを通して収集し、定性的な効果を確認することができた。今後、研修を修了した看護師らが、それぞれの所属部署に戻り、持続して組織全体へ効果を及すための体制を整える。連携病院の実情に応じた仕組みとなるように、既に存在する看護記録のための勉強会グループを母体とし、修了した看護師らをファシリテータとして機能させる体制を検討する。またアンケート、半構造化インタビューを継続して実施することで、長期間の比較を通じ、より詳細に効果を測定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発した"よく"考えるための研修法の実証をすすめており、計画通りに進めることができている。今後、連携する病院組織で組織的に実証をすすめることにつなげる準備が整ったといえるから。
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Strategy for Future Research Activity |
連携する病院での実証規模を拡大するために、組織的な運営が不可欠となる。連携病院の実情にあった方法として、すでに組織化されている看護師の勉強会をベースにした持続的な実証方法を考案して実施する計画である。
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