2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経障害性疼痛に関わる脊髄ニューロン・グリアの分子形態学的基盤
Project/Area Number |
22300115
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
|
Keywords | 後根神経節 / 脊髄ニューロン / ロイコトルエン受容体 / 疼痛行動 / 脊髄後角 / ATP受容体 / マイクログリア |
Research Abstract |
1. 一次知覚ニューロンにおけるロイコトリエン合成酵素、受容体mRNA発現、その痔痛行動への関与の解明 末梢炎症モデルを用いて、a. CysLT2がDRGニューロンで多く発現し、それとATP受容体P2X3が高頻度に共存することが明らかとなった。b. CysLT2のアゴニストであるLTC4を事前投与すると、単独では疼痛行動を惹起しない量のATPアゴニストでも痺痛行動が現れることが明らかとなった。c. 一次知覚ニューロンにおいてもロイコトルエン受容体CysLT2が末梢炎症時の痛覚過敏に関与していることが明らかにとなり、以上のデータはMolecular Painに発表した。 2. 神経障害性痔痛モデルにおける脊髄でのP2Y6,13,14受容体の発現解析と、それぞれ特異的なantisense、阻害剤の投与後の疼痛行動の変化の解析をこの1年間行ってきた。以下の所見が得られて論文投稿直前である。 a. 半定量的RT-PCR法を用いてP2Y6,13,14mRNA発現量の変化を測定したところ、それぞれ特異的な時間的変化を示す発現増加が観察された。 b. マイクログリアにおいてP2Y6,13,14mRNAシグナルが増加しており、細胞がマイクログリアであることは免疫二重染色法を用いて確認した。 c. 術側ではP2Y14 AS-ODN投与群とMM ODNの2群間は統計学的に有意差があり、手術後5-7日でantisense群で機械的刺激、温度刺激に対する過敏反応の抑制が観察された。 d. p38阻害剤であるSB203580投与群ではP2Y14 mRNAの発現が抑制されていた。
|