2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300132
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
粂 和彦 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (30251218)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 睡眠 / 概日周期 / ショウジョウバエ / ドーパミン / 記憶 / 麻酔 / 摂食 |
Research Abstract |
まず、ショウジョウバエの睡眠覚醒制御機構の中心的な役割を担うドパミンが覚醒を制御する回路の一つを完全に解明した(Ueno et al., Nature Neuroscience, 2012)。この論文では、分子遺伝学的な手法を用いたモザイク個体を解析する方法で、脳内のPPM3クラスターに存在するドパミン神経細胞が覚醒に働くことを示した。さらに、受容体の欠損株を用いて、このドパミン神経が投射する扇状体と呼ばれる領域が、ドパミンの覚醒シグナルの標的となっていることを示した。さらに、ドパミン神経と扇状体が直接近接すること、脳から取り出した扇状体がドパミンに反応すること、扇状体を活性化して誘導される睡眠はドパミン過剰下でも惹起することを示した。また、この回路は学習・記憶を活性化するドパミン回路とは異なることを示した。 次に、新規睡眠関連遺伝子として、dAWP1, dNAAT1を同定、解析を行った。dAWP1は神経細胞で発現抑制をすると、発生が異常となり睡眠が短くなる。哺乳類では麻酔耐性に関連する遺伝子であるため、睡眠と麻酔の機序の類似性が示唆された(Ueno et al. 投稿中)dNAAT1は、Gln, Proという中性アミノ酸のトランスポーターだが、やはり神経細胞で発現抑制をすることで睡眠が短縮する。神経細胞におけるこれらのアミノ酸の重要性を示唆した(Tomita et al. 投稿準備中)。生理的な睡眠覚醒制御機構として、摂食と睡眠の関係も解析した。絶食は、睡眠量を減少させ、通常の糖分(スクロース)は睡眠を回復させるが、甘味のみで栄養のない人工甘味料でも、睡眠の回復作用があることを発見した。逆に、甘味がなく栄養のみの糖分では、この作用が認められないことから、この結果は、味覚系と睡眠制御の関係を示した(Hashimoto et al. 投稿準備中)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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