2010 Fiscal Year Annual Research Report
プレコンディショニング運動に栄養サポートを併用した廃用性筋萎縮の予防法の開発
Project/Area Number |
22300189
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤野 英己 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20278998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 昭彦 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90184548)
村上 慎一郎 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (30454763)
近藤 浩代 名古屋女子大学, 家政学部, 講師 (50333183)
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Keywords | 筋萎縮 / 運動 / 栄養 / 抗酸化 / アスタキサンチン / ヌクレオプロテイン / プレコンディショニング |
Research Abstract |
廃用性萎縮筋では、骨格筋細胞への栄養や酸素供給などに関与する毛細血管ネットワークも減衰する。この現象を解明するためには、骨格筋細胞と毛細血管(特に吻合毛細血管)のクロストーク解析が必要であると考えられる。一方、プレコンディショニング運動は廃用性萎縮筋に対して、予防効果があるが、酸化ストレスも増加させる。活性酸素は、廃用性筋萎縮やサルコペニアを進行させることやユビキチン化を促進させ、タンパク質分解を進行させることが知られている。この結果は、運動による効果を一部制限しているのではないかと考えられる。また、活性酸素の発生やユビキチン化の抑制をすることが廃用性筋萎縮の予防に重要であるという結論を得た。そこで、抗酸化力の高い栄養素やユビキチン化の抑制作用を持つ栄養素を摂取することで、プレコンディショニング運動の効果を最大限に出す方法を検討する。本年度の研究では、強い抗酸化力を示すアスタキサンチンを栄養サポートとして用いることで,廃用性筋萎縮の毛細血管三次元構造の変化と関連因子について検証した。後肢非荷重期間中にアスタキサンチンを投与すると、酸化還元酵素であるSOD-1発現の増加が軽減され、さらにVEGF発現の低下も軽減され、ヒラメ筋毛細血管構造の退行性変化は予防された。これらの結果から、アスタキサンチンは不活動に伴う活性酸素種の過剰発現を軽減し、血管内皮細胞の機能の維持や毛細血管の退行性変化を予防できることが明らかとなった。しかし、筋線維の横断面積はアスタキサンチン投与有無にかかわらず,縮小し萎縮した。筋萎自体に対しては、効果が得られなかったために、今後、筋萎縮予防という観点からアスタキサンチン以外の栄養サポートを検討していく必要がある。
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Research Products
(16 results)