2011 Fiscal Year Annual Research Report
プレコンディショニング運動に栄養サポートを併用した廃用性筋萎縮の予防法の開発
Project/Area Number |
22300189
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤野 英己 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20278998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 昭彦 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90184548)
村上 慎一郎 姫路獨協大学, 医療保健学部, 講師 (30454763)
近藤 浩代 名古屋女子大学, 家政学部, 講師 (50333183)
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Keywords | 筋萎縮 / 運動 / 栄養 / 抗酸化 / アスタキサンチン / ヌクレオプロテイン / プレコンディショニング |
Research Abstract |
廃用性萎縮筋では、骨格筋細胞への栄養や酸素供給などに関与する毛細血管ネットワークも減衰する。この現象を解明するためには、骨格筋細胞と毛細血管のクロストーク解析が必要であると考えられる。一方、プレコンディショニング運動は廃用性萎縮筋に対して、予防効果があるが、酸化ストレスも増加させる。活性酸素は、廃用性筋萎縮やサルコペニアを進行させることやユビキチン化を促進させ、タンパク質分解を進行させることが知られている。この結果は、運動による効果を一部制限しているのではないかと考えられる。また、活性酸素の発生やユビキチン化の抑制をすることが廃用性筋萎縮の予防に重要であるという結論を得た。そこで、抗酸化力の高い栄養素やユビキチン化の抑制作用を持つ栄養素を摂取することで、プレコンディショニング運動の効果を最大限に出す方法を検討した。昨年度の研究では、抗酸化サプリメントを使用して、研究を実施し、廃用性萎縮時の毛細血管退行に対して、効果的であることが検証された。しかし、筋萎縮そのものを予防することは出来なかったため,本年度は、筋萎縮量的・質的予防の目的を達成するために、抗酸化サプリメントに加え、運動を併用し、さらにタンパク質の摂取等の複合的な介入を実施した。その結果,運動やタンパク質摂取は筋萎縮の量的な変化を効果的に予防し、抗酸化サプリメントは筋萎縮時のミトコンドリア障害,速筋化を抑制した。これらの結果から、リハビリテーションを行う際に栄養サポートを行うことによって、効果的な廃用性筋萎縮の予防を行うことが可能になることを示唆するものである。今後、より効果的な栄養サポートを行うためのサプリメント等を検索して、筋萎縮予防のための包括的リハビリテーション確立を進めるためのエビデンスを構築していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
運動と栄養補助食品(剤)の併用により効果的なリハビリテーションを行えることが予定通りに検証できた。運動のみでは、廃用性萎縮を予防できるが、筋繊維タイプの性質の変化や毛細血管の減少は抑制できなかった。しかし、栄養補助食品(剤)を併用することにより,運動のみでは効果が得られなかった部分に予防効果が観察された。これまで目的通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
数種の栄養補助食品を用いて、同様の傾向が観察されるかどうか、より効果的な栄養補助食品がないかについて検証する。また、栄養補助食品の効果的な摂取の方法について、さらに検証をしていく予定である。
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Research Products
(23 results)