2010 Fiscal Year Annual Research Report
感性脳神経回路を賦活する教育・治療用音響音楽プログラムの開発研究
Project/Area Number |
22300212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
八木 玲子 財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (80281591)
|
Keywords | 感性脳 / 治療 / 教育 / 音響 / 音楽 |
Research Abstract |
感性脳神経回路を賦活する教育・治療用音響音楽プログラムの開発に関して、以下の内容を実施した。 (1)アコースティック楽器システムに関する基礎調査 人間の心身への安全性および感性脳賦活効果において永年の実績をもつと考えられる音響音楽システムの基礎調査として、アフリカ熱帯雨林の狩猟採集民のパフォーマンス、インドネシア・バリ島の祝祭儀礼、ブータンの仏教儀礼などで演奏される伝統音楽の取材を行い、そこで用いられる楽器システムの発音機構、奏法、演奏音の音響物理構造、楽曲の構成、また、それら音楽文化を支える基盤としての社会システムに関する調査を行なった。また、楽器の素材を検討するために、金属、陶器などの日本の地域伝統産業に関する予備調査を行なった。さらに、医療現場における音楽活動に関する調査を通じて、高度な訓練を必要とせず容易に演奏に参加することが可能であり、かつ、生成される音が感性反応への訴求効果をもちうる音響音楽プログラムの条件について検討を行なった。 (2)治療・教育用アコースティック楽器システムの基礎設計 (1)の調査結果にもとづき、人の感性脳神経回路の賦活効果をもつ音響-すなわち、可聴域上限の20kHzをこえ200kHzに及ぶ超高周波成分を豊富に含み、数ミリ秒以下のミクロな時間領域で複雑に変化する非定常なゆらぎ構造を有する音-を生成するアコースティック楽器システムの基本設計を行なった。 (3)超広帯域マルチチャンネル音響の収録と音響物理構造解析 アコースティック楽器システムの演奏音を持続的に補完するための超広帯域背景音響の素材として、熱帯雨林の自然環境音の超広帯域マルチチャンネル音響を行なった。楽器の演奏音をマスキングすることなく、さまざまな種類の音楽と共存可能な音源として実績のある熱帯雨林の自然環境音について、高速標本化1ビット量子化方式による200kHzまで良好な特性をもつ超広帯域マルチチャンネル・デジタル録音システムを用いて現地収録し、音響物理構造解析を行なった。
|
Research Products
(6 results)