Research Abstract |
1.目的,計画:本研究の目的は,薬物乱用の一次予防対策としての有効な健康教育プログラムの構築をめざし,青少年の薬物乱用の実態,背景・要因をEvidence(確証)として明らかにすることである。そのため定点(高校)に「高校生の喫煙,飲酒,薬物乱用の実態と生活習慣に関する全国定点追跡調査」を本科研費採択期間4年間において2回(H23,H25に)実施し,薬物乱用の実態,その背景要因のモニタリング的疫学調査(定点追跡調査)研究を行う。初年度(H22は定点校の確保,2年目(本年度H23)は1回目の本調査実施,データベース作成,3年目は結果返却,分析,4年目は2回目の本調査実施を計画した。 2.本年度(H23年度,本科研採択2年目)の実績概要:定点高校(51校)の生徒を対象に追跡開始初回(1回目)となる「喫煙,飲酒,薬物乱用についての意識・実態調査」を行い,高校生33,722名のデータベースを作成した。 3.研究方法および結果: (1)定点校,対象者:前年度(H22)に定点校として内諾が得られた高校は61校であったが,東日本大震災による被災県の6校はキャンセルさせていただいた。定点校の高校には,本年度の調査実施について再度,協力が得られるよう確認の連絡をしたが,本年度になり拒否された高校が4校あり,その結果,一回目調査実施校は51校となった。51校の総在籍生徒35,145名の内,欠席者,白紙回答者を除いた33,722名の調査票を回収できた(回収率95.9%)。 (2)調査票の記載内容等の個人情報の保護を保証するため,様々な配慮を行い,現時点までは問題なく円滑に進められた。 (3)33,722名の104項目の質問回答を入力し,データベースを作成し,データクリーニングを行った。無効回答項目数が50%以上の者を除いた有効回答数は33,615名(有効回答率99.7%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本調査研究において最も重要な課題となるのが定点校の確保,およびその高校の教員の方々に年度替わりにおいて調査実施を引き継ぎ事項として理解していただく事である。本年度の調査実施時には定点校は当初の予定数より減少したが,東日本大震災による被災県の高校に対しキャンセルさせていただいた事は当然な対処であり,また,高校の忙しさ,調査内容を考えると本年度になって調査拒否された高校が4校であった事も予想より少なかったと考えている。従って,定点校の調査協力的姿勢を背景に,我々の本調査実施についての理解を求める努力によって,定点追跡調査の初回実施は上述の課題をクリアし,順調に進めることができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
定点校としての本調査の参加の内諾はH22年度に得た。初回調査はH23年度に行ったが,次回はH25年度に実施する。定点校の高校の教員の方々に年度替わりにおいて調査実施を引き継ぎ事項として認識しそいただく事が重要であり,H25年度調査実施のために,H24年度は,定点校へのH23年度の調査結果返却,次年度調査実施の協力確認のための連絡を密にする。
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