2010 Fiscal Year Annual Research Report
思春期女子における骨粗しょう症のリスク軽減と予防に関する遺伝栄養学的研究
Project/Area Number |
22300265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
瀧井 幸男 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70154937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 沙矢香 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (00509177)
相澤 徹 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (10340944)
山本 周美 武庫川女子大学, 短期大学部・食生活学科, 講師 (60441234)
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Keywords | 骨粗しょう症 / 思春期 / 骨量 / 遺伝子診断 / 食行動 / 肥満 / 遺伝栄養学 |
Research Abstract |
思春期女子の体脂肪率と骨粗鬆症発症リスクとの相互関係を検討した。リスク因子にβ3AR遺伝子とINSIG2遺伝子を選択し、食行動調査表(EAT-26)を用いて摂食行動を追跡した。同意を得た女子学生94名(平均年齢21.3歳)の分布は、やせ11.7%、標準29.8%、隠れ肥満傾向39.4%、隠れ肥満13.8%、肥満5名5.3%であった。 1. BMIが25未満で体脂肪率30%以上の隠れ肥満者が全体の13.8%を占め、隠れ肥満傾向者を合わせると全体の53.2%に達した。食行動ではEAT-26置換合計得点の平均値は8.25±6.98で平均値が最も高い隠れ肥満群で8.25±6.98点であり、隠れ肥満群において標準群と比較して有意な差がみられた(Steel多重比較法)。 2. 隠れ肥満群のβ3AR出現頻度はTrp/Trp型76.9%、Trp/Arg型15.4%、Arg/Arg型7.7%で、標準群の出現頻度はTrp/Trp型50.0%、Trp/Arg型25.0%、Arg/Arg型25.0%であった。隠れ肥満群INSIG2遺伝子出現頻度は、GG型53.8%、GC型53.6%、CC型0%であり、標準群の出現頻度はGG型53.6%、GC型42.9%、CC型3.6%とほぼ同様の結果が得られた。 3. 隠れ肥満群はEAT-26置換合計得点が高く、食行動異常が隠れ肥満形成に大きく関与していることが示された。若年女性における精神的、身体的健康を維持するには、ダイエット歴、食事内容の精細な調査とともに、β3AR/INSIG2以外の遺伝素因についても検討する必要があると考えられる。 4. 結論として、標準体重であるが体脂肪率が過剰である隠れ肥満群においてEAT-26置換合計得点が高いという結果が得られたことから、食行動異常者の調査では、BMIや外見だけでは判別できない可能性が考えられる。遺伝素因と併せて日常の食行動を追跡することが思春期女子健康保持に重要であると結論した。
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Research Products
(8 results)