2011 Fiscal Year Annual Research Report
コンピテンス基盤型科学教育の創造ー初等・前期中等教育を中心にー
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22300266
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 北海道大学, 高等教育推進機構, 教授 (60322856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 雄作 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (00160549)
荻原 彰 三重大学, 教育学部, 教授 (70378280)
古屋 光一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10374753)
人見 久城 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10218729)
細川 和仁 秋田大学, 教育推進総合センター, 准教授 (30335335)
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Keywords | コンピテンス / 科学教育 / 能力 / 探究 / 評価 / 人材育成 |
Research Abstract |
本年度は4年間の研究期間の2年目に当たる。研究会は3回開かれ、これからの日本の科学教育に求められるコンピテンスについての分析を進めた。まず大震災で開催を中止された第2回の研究会を実施し、日産自動車のテクニカルセンター人材開発部研究者への調査によるコンピテンスについて共通理解を図った。またコンピテンス基盤型教育を次期National Core Curriculumから導入するフィンランドの調査が報告された。第3回の研究会から、現場の教諭4名が東京WGとして新たに参加し、震災で遅れていた現時点で考えられるコンピテンスについてKJ法に抽出と整理を行った。その以後各自第4回研究会に向けて、大塚は国内のコンピテンシーに関する内容の整理を、古屋は「Exploring the Intersection of Science Education and 21st Century」のワークショップ報告書から21世紀の能力の定義について分析を、大塚、荻原、鈴木は有馬朗人氏・寺脇研氏へ能力に関するインタビューを、細川はENS de Lyon でDr, Andree TIBERGHIEN氏にインタビューを行い、フランスの才能教育の様子を、人見は「全米研究評議会における科学教育フレームワークの策定」の分析を、鈴木は、ヘルシンキ大学にて進む才能教育の実態について調査分析、第4回の研究会にて告された。また第4回の研究会では、その他東京WGの武から「これからの科学教育に必要な力」というレポートが報告され、探究能力の分析の意味について新たな提案がなされ、活発な議論が展開され、探究能力に関する宿題が次回研究会までに全員に課せられた。その後、荻原は三重大学医学部で行われているPBLへの授業参加を行い、コンピテンスに関わる能力の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
震災の影響により、昨年末予定されていた研究会が本年度に持ち越されたが、予定通り現場の教諭との合同会議(東京ワーキング)も開催することができた。コンピテンスに関するキーワードについて、科学技術系企業や研究者、人事担当者など多方面からの集積も進んでいる。予定している歴史や文学、芸術分野からの分析が今後必要である。これらが進んだところでこれからの科学教育に求められるコンピテンスを分析し、それらを修得する知識や行為の整理に入ることになる。
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Strategy for Future Research Activity |
コンピテンス調査の一環として、欧米の医学教育の現状の調査が今後の課題である。また、コンピテンス基盤型教育が進む北欧の教育事情も視野に入れる必要がある。それらの知見を元に、どのようにすればコンピテンスを育成することができるのか、科学的知識や実験観察のあり方を整理し、カリキュラムの設計まで進める予定である。
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Research Products
(14 results)