2011 Fiscal Year Annual Research Report
Math for Excellence を志向する数学科教員養成に関する比較研究
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22300268
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
二宮 裕之 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40335881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 秀樹 広島大学, 教育学研究科, 教授 (50116539)
國宗 進 静岡大学, 教育学部, 教授 (50214979)
相馬 一彦 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (40261367)
佐々木 徹郎 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20170681)
馬場 卓也 広島大学, 国際協力研究科, 教授 (00335720)
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Keywords | 算数・数学教育 / 才能教育 / アメリカ / 比較教育 / 教員養成 / Math for Excellence |
Research Abstract |
平成23年度は、アメリカコネティカット州、University of Connecticut, Neag Center for Gifted Education and Talent Developmentを訪れ、才能教育のワークショップ「Confratute」の全ての日程に参加した。渡米調査に参加したのは、二宮、國宗、相馬、の3名で、平成24年7月9日~17日の日程で渡航した。 全体講演では、才能教育の分野での第一人者でもある、Joseph Renzulli教授による基調講演をはじめ、Rachel Mcanallen教授による算数教育の素材に関する講演などを拝聴した。Mcanallen教授は午後の部会でも算数教材研究のセッションを行っており、後述のM2、M3プロジェクトのワークショップと並行して、3人で分担してこれらのセッションに参加した。 Math for Excellenceを志向する算数カリキュラムの分科会は、Jennie Firmender講師による「M^2プロジェクト(幼稚園から2年生)」と、Kathy Gavin教授による「M^3プロジェクト(3~5年生)」に参加し、5日間に及ぶ一連の講義を受講した。これらの分科会の最終日には、講師の先生方に特別のお願いをして、この分科会に参加している現職の先生方へのアンケートをとらせていただいた。差し支えなければ連絡先も明記していただき、次年度での訪問調査において実際にこれらのカリキュラムを適応した授業実践を参観させていただくことができるようお願いしてある。 更に、M^2、M^3プロジェクトの創始者である、コネティカット州立大学Kathy Gavin教授に時間をとっていただき、インタビュー調査を行うことができた。Gavin教授へのインタビューを通して、アメリカで行われているMath for Excellenceを志向する算数カリキュラムにおける子どもたちの算数的活動は、日本で行われている問題解決の授業のそれと非常に類似している点が明らかとなった。更には、日本の「よい授業」が、M^2、M^3プロジェクトの授業の様相に非常に近いイメージのものである点も明らかとなった。 渡米調査では、ワークショップの資料と併せて、M^2、M^3プロジェクトの教材を多数買い求めて来た。これらの資料については、他の研究分担者と協力して教材分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカにおいて積極的に進められているMath for Excellenceを志向する算数教育の実際を知る手がかりとして、才能教育の研究でアメリカをリードするUniversity of Connecticutが主催する才能教育ワークショップに実際に参加し、具体的な手だてを知るとともに、実際に進められている実践についての知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
2年次の渡航調査で収集してきた膨大な資料の分析が若干滞っているため、早急に進めていきたい。また、2年次の渡航調査で明らかとなった「日本の問題解決型授業との類似」に関して、その具体的な様相を質的に明らかにしていきたい。特に「よい授業」という視点を軸に、アメリカで行われているMath for Excellenceを志向する算数・数学の授業と、日本の問題解決型授業との比較検討を行うことで、Math for Excellenceを志向する算数・数学の授業を日本で具現化するための手がかりとしたい。
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Research Products
(2 results)