Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 良宏 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80344539)
山口 武志 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (60239895)
長崎 栄三 静岡大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50141982)
長尾 篤志 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 教育課程調査官 (00353392)
清水 宏幸 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 学力調査官 (80562446)
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Research Abstract |
本研究は,わが国の子どもに,社会的文脈における問題場面で数学を用いて意志決定する力である「数学的判断力」を育成することを意図し,そのための教材,授業,評価,並びに,教師教育に関する枠組みを構築し,それらの有効性について実証的に検討し,学校数学の改善に資する提言を行うことを目的としている。 2年次である平成23年度は,第一に,昨年度実施した,数学的判断力に関わるイギリスの算数・数学教育プロジェクト "Bowland Maths."を,目標,教材,評価,教師教育の観点で分析し,論文にまとめた。この論文は,日本数学教育学会学会誌「数学教育」に掲載された。第二に,わが国の子どもの数学的判断力に関する様相を明らかにすることを意図し,小学校6年生,中学校3年生,高等学校2年生,大学生に対する調査を実施し,その結果の第一次分析を行い,学校段階による差の見られる問題とあまり見られない問題があることなどを明らかにした。第三に,昨年度明確化した数学的判断のプロセスをもとに,社会的文脈における問題解決を扱う,算数・数学の授業の枠組みを構築した。この成果の一部は,日本数学教育学会「論文発表会」において発表した。第四に,上述の "Bowland Maths."の関係者を招聰し,2校で4時間の研究授業および研究討議を行うとともに,講演会(一般公開)を実施し,数学的判断力の育成およびそれを育成するための教師教育に関する示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イングランドの算数・数学教育プロジェクトの分析およびその開発者らとの研究討議が順調に進み,本研究目的に対する多くの示唆が得られている。また,社会的文脈における問題解決を扱う,算数・数学の授業の枠組みを作成し,それに基づく実験授業が2校で実施できた。
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