2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域住民による琵琶湖沿岸の<生命の賑わい>総合調査の方法と具体的手法の確立
Project/Area Number |
22300277
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
川那部 浩哉 滋賀県立琵琶湖博物館, 特別研究員 (60025286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前畑 政善 滋賀県立琵琶湖博物館, 特別研究員 (30359260)
用田 政晴 滋賀県立琵琶湖博物館, 上席総括学芸員 (00359259)
高橋 啓一 滋賀県立琵琶湖博物館, 上席総括学芸員 (50139309)
GRIGIER Markj. 滋賀県立琵琶湖博物館, 上席総括学芸員 (60359263)
八尋 克郎 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 総括学芸員 (60344339)
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Keywords | 環境教育 / 住民参加 / 生物多様性 / 総合調査 |
Research Abstract |
23年度は,研究の2年目として具体的な調査活動が行われた.活動は,3つのグループで行った. 「生きもの分布・生態調査」グループでは,魚類分布調査の事例について約200の文献の収集と分析と市民調査会合等への参加を行い,これらを通じて市民参加の調査における課題を探った. 「生態系多様性調査」グループでは,西の湖沿岸の住民による魚類食性調査とアンケート,家棟川における生態回廊再生調査,和邇湖岸ヨシ造成地の測量調査,喜撰川魚道の効果検証調査,草津市環境課による「アカトンボ調査」において参加者の意識調査や生態系多様性調査などを実施し,具体的な調査に基づいて検討を行った. 「住民調査とその連携のあり方」グループでは,タンポポ調査とそれに伴うフォーラムを行ったほか海外事例調査(中国)や地域住民による遺跡保護運動に関する調査も行った. これらの活動から以下のような課題が明らかとなった. ・従来の調査結果を利用する際には,データ精度のバラつきがあり定量的な比較には使用できない. ・調査には,技術をもった指導者が必要になるが,多くの人を確保することが困難データの質と量を確保するためには,この指導的役割を果たす地域リーダーの養成が課題. ・調査のやり方としては,各地で行われている観察会などを活用する方法が考えられる. ・魚類食性調査や鳥類調査においては,顕微鏡や双眼鏡などの機材が大量に必要となる. ・アンケート調査によって,一般市民は調査技術を向上させることに興味を示さないことがわかった. ・生物全体の調査よりも特定の分類群の生物調査の方が参加する人が多い傾向にある. ・データの収集に関しては,統一したフォーマットが有効なので,どのような形式にするか検討課題
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究2年目において,3つのグループでそれぞれに活動が本格化してきたことで,市民参加の調査における課題が少しずつ見えてきた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は研究の最終年度にあたることから,これまでの調査を継続しながらも,まとめの作業にあたる.このため,11月ごろにシンポジウムを開催し,市民参加の調査を行っている個人,グループに参加してもらい,本研究の課題を考え,今後の本格的な調査の機運を盛り上げたい
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