2011 Fiscal Year Annual Research Report
WEB2.0による海外と連携した実践共同体を支援する教育システムに関する研究
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22300297
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 真弓 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20268329)
黒上 晴夫 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20215081)
影戸 誠 日本福祉大学, 国際福祉開発学部, 教授 (50351086)
稲垣 忠 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (70364396)
寺嶋 浩介 長崎大学, 教育学部, 教授 (30367932)
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Keywords | web2.0 / 実践共同体 / 教育システム |
Research Abstract |
今年度は、カンボジアとフィリピンにおけるフィールドワークを事例としてWeb2.0を活用した国際連携プロジェクトの教育システムの改善を行った。この教育システムは前年度に行った先行研究や先行事例の分析に基づいて開発したものであり,このシステムに基づいたフィールドワークをデザインした。カンボジアの実践では、パニャサスタ大学と連携してカンボジアの社会問題について調査をし、共同プロジェクトを実施した。フィリピンでは、ブラカン大学と連携し、小学校の教員に対してICT活用に関するワークショップを実施した。この2つの事例では、事前事後学習でWeb2.0を活用し、現地での活動を円滑に進めるために様々な学習活動を行った。具体的には、文化や教育システム、社会問題に関する学習、現地での活動のための準備を行った。フィールドワーク終了後も引き続きWeb2.0を活用し、現地の連携者と次の活動について議論している。 このように、事前学習および事後学習においてWeb2.0を活用することが、フィールドワークの活動そのものにどのような影響を与えるかについて調査した。その結果に基づき、次の3点において教育システムを改善した。 (1)事前学習では、現地の文化や教育システム、問題だけを学習するのではなく、それらの学習をもとに現地で調査すべきテーマを各学生が持つことが重要である。 (2)フィールドワークの段階では、実践の中での内省が不可欠であるが、個々の学生が各自で振り返るだけでは実践について十分に考察することができない。内省的思考を促すためには、キューレーターとしての支援者の役割が重要である。深い内省を促す支援方法について今後検討が必要である。 (3)事後学習の段階では、国際連携のフィールドワークを次の段階へ進めるための計画を立てることが求められる。そのため、個々の学生が自らの経験を個人で振り返るだけではなく、グループとして活動の知見をまとめ整理する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度は、先行事例をもとに構築した教育システムに基づき、フィリピンとカンボジアを事例として教育システムの評価を行った。そこでみられた課題を分析し、教育システムを改善するための知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の取り組みについて、フィールドでの調査を強化するため、目白大学・今野貴之先生を研究分担者とする。フィールド活動中におけるICTを活用した振り返りの支援と支援方法について調査する。また、海外の組織との連携に加えて、国内における連携事例についても分析の対象とする。
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Research Products
(23 results)