2010 Fiscal Year Annual Research Report
新世代長鎖複合ペプチドがんワクチンの基盤開発とTreg制御による免疫増強
Project/Area Number |
22300332
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中山 睿一 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (60180428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80273358)
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Keywords | がんワクチン / 免疫 / がん抗原 |
Research Abstract |
1. NY-ESO-lf長鎖ペプチドの抗原提示細胞(APC)による処理とエプトープ提示機構の解析 NY-ESO-lfペプチド特異的CD4およびCD8 T細胞クローンを用いて、20-merのNY-ESO-lf(NY-ESO-191-110)長鎖ペプチドの認識に細胞内取り込みと抗原処理が必要である事を明らかにした。即ち、抗原提示細胞にペプチドをパルスする際、4℃では抗原が提示されず、37℃でのみ抗原が提示された。また、サイトカラシンDにより細胞内取り込みを阻止すると抗原が提示されないことを明らかにした。一方、蛍光ラベルペプチドを用いてペプチドの細胞内局在を明らかにした。 2. NY-ESO-lf長鎖ペプチドを用いたがんワクチン臨床試験の実施 NY-ESO-lfペプチドをワクチンとして用いた臨床試験を開始した。ピシバニールおよびモンタナイドと共に3週おきに皮下注射した。現在までに10症例に投与したが、有害事象としては注射部位局所の皮膚反応を認めたが軽快した。用いたペプチドによると考えられる有害事象は認めなかった。 3. NY-ESO-lf長鎖ペプチドワクチン投与患者の免疫モニタリングと臨床評価 10症例の解析では、すべての症例でペプチドに対する抗体価の上昇を認め、同時にタンパクに対する反応も認めた。このことは、自然なエピトープに対する抗体価の上昇と考えられる。CD4およびCD8 T細胞の反応上昇もすべての症例に認められ、一例では非常に強い反応を認めた。T細胞反応の詳細は解析中である。
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