2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22300333
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 特任教授 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 高司 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80405183)
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Keywords | 抗CCR4抗体 / 低フコシル化抗体 / CTL / NOGマウス |
Research Abstract |
低フコシル化CCR4抗体による制御性T細胞の制御を軸とした、包括的がん免疫療法の基盤構築のため、NOGマウスを用いてヒト免疫担当移入担がんモデルを作製した。これまでに造血器腫瘍モデルとして患者由来の腫瘍細胞から、NOGマウスで継代可能なi)成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)、ii)Burkittリンパ腫、iii)血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、iv)EBウイルス関連T細胞リンパ腫、v)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、vi)マントル細胞リンパ腫、のモデルを確立している。上記iii)はfollicular helper T細胞(Tfh)がその起源と考えられる腫瘍であるが、NOGマウス内においてTfhのマスター遺伝子であるbcl-6の発現を認め、さらにB細胞のヒト免疫グロブリン産生が促進していた。さらに、腫瘍細胞でのVEGFの産生亢進および腫瘍組織での血管増生を認めた。これらの所見は、NOGマウスを用い、微小環境も含め、ヒトの病態を大いに再現したモデルが構築されたことを意味する。その他のモデルも、それぞれ同様にヒトの病態を大いに再現していた。すなわち何れのモデルにおいても、腫瘍細胞はNOGマウスの微小環境に依存して生存・増殖する。これらのモデルを用いて、血管新生阻害薬(bevacizumab)の治療実験を行った結果、治療群では腫瘍増大が阻害されるとともに腫瘍局所での腫瘍血管の産生が低下していた。これらの知見を基盤に、来年度はCCR4抗体と腫瘍微小環境を標的とする薬剤の併用、さらには腫瘍特異的T細胞との併用実験を実施する。
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Research Products
(10 results)