2010 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアから侵入する残留性有機汚染物質の越境汚染評価と数値モデルによる解析
Project/Area Number |
22310021
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
河野 公栄 愛媛大学, 農学部, 准教授 (50116927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 伸司 愛媛大学, 農学部, 教授 (70109502)
竹内 一郎 愛媛大学, 農学部, 教授 (30212020)
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Keywords | 陸圏 / 水圏 / 大気圏影響評価 / 東アジア / 越境汚染 / 残留性有機汚染物質(POPs) / HRGC/HRMS / 環境動態 |
Research Abstract |
近年、東アジア近隣諸国の経済発展は目覚しく、活発な産業活動に伴い大量の化学物質が製造・使用されている。しかしそれら近隣の発展途上国では化学物質の使用規制に関する法的整備が必ずしも充分でなく、大気や海水を介した化学物質の移動・拡散によって我が国の環境の汚染が進行していることが懸念される。初年度として大気及び海水試料採取装置及び微量分析法の組み立てを行い試料採取を行うとともに、一部、指標生物試料として松葉を日本各地で採取し、残留性有機汚染物質(POPs)の我が国への越境汚染の現状の解明を試みた。検討対象化合物として我が国で製造・使用の実績がないMirexとToxapheneについて検討した。これら化合物が我が国の環境試料から検出されるということは、越境による汚染を引き起こしていることが考えられ、より厳密な汚染評価が可能となるものと考えられる。海洋環境試料の採取海域として東アジアからの顕著な汚染影響が考えられる長崎から西表島に至る南西諸島及び済州島南部海域について大気・海水試料を採取した。大気試料の採取は、石英フィルター、ポリウレタンフォーム及び活性炭素繊維を装着したハイボリュームエアサンプラーを用いた。検討した結果、大気試料ではMirexが0.01~0.1pg/m^3オーダーの濃度範囲で検出され、採取地点と採取時期で検出濃度が異なった。さらに後方流跡線解析の結果、海洋大気中濃度は東アジアからの季節風の影響を受けて高くなる傾向が見られた。一方、Toxapheneについては海洋大気中濃度は検出限界以下で、同時に採取した海水試料からも検出されなかった。海水試料採取については、海水中の粒子吸着態のMrexなどのPOPsを石英フィルターで捕集し、さらに溶存態のPOPsをウレタンフォーム、活性炭素繊維で捕集した。これらの海水試料及び松葉試料について一部分析を行った。
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Research Products
(7 results)