2012 Fiscal Year Annual Research Report
人為改変による亜熱帯河口域の冬季水温上昇のメカニズムと自然再生手法
Project/Area Number |
22310050
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
島谷 幸宏 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40380571)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 順朗 東京理科大学, 理工学部, 助教 (10618507)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 河口 / 生息場評価 / 水温 / アイアシ類 / 海水遡上 / 自然再生 / 奄美大島 / リュウキュウアユ |
Research Abstract |
平成24年度においては主に,①3次元流動数値シミュレーションと生息場モデルを用いた河口人為改変によるリュウキュウアユ仔稚 魚に対する影響評価と,②フロート追跡およびADCPを用いた河口流動場観測に基づく塩分遡上特性の把握を行った.①については,平成23年 度までに開発した仔稚魚生理的好適度評価モデルに加え,餌資源となるカイアシ類の個体数密度推定モデル及び3次元流動場シミュレーション(Delft3D)を組み合わせ,河口域が保全されている役勝川河口域と干拓により干潟が消失している河内川において生息適地の空間分布を明らかにした.その結果,河内川における生息適地は役勝川に比べ河川縦断距離にして1/4程度であることが明らかとなった. 干拓前の地形 を想定した計算結果によれば,干拓前の生息適地は現在より上流側かつ広範に渡って形成されていたことが示唆され,保全にあたっては干潟の再生 が有力な保全策になりうることが示された.②については,同じ河口を持ち,河川中上流環境に差がないがリュウキュウアユ成魚の生息個体数に差 が見られる役勝川と住用川を対象としており,同河口における超音波ドップラー流速分布型(ADCP)および自記式塩分水温計による連続観測と 投下型塩分計を用いた塩分縦断観測を実施した.その結果,役勝川と住用川では海水遡上量に約7倍,塩分フラックスとしてみると約9倍もの差が生じていることが明らかとなった.その要因として,住用川河口付近に土砂マウンドが形成されていることが示唆された.これは2010年奄美水害時に主に供給・堆積したと見られる.マウンドによる流動場やそれに伴う塩分・熱・その他物質フラックスの変質により,リュウキュウアユの生 息適地に対しても影響があると考えられるため,今後の河口域の保全管理において注視すべきである.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)