2010 Fiscal Year Annual Research Report
カー回転ゆらぎのスペクトル測定による磁気共鳴測定法の開発と半導体ナノ構造への応用
Project/Area Number |
22310061
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
室 清文 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90112028)
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Keywords | 磁気共鳴 / スピンノイズ / 量子ホール効果 / 強磁場 / カー効果 |
Research Abstract |
外部共振器型波長可変レーザの発振線をInAs量子ドット、量子ホール電子系の共鳴吸収線近傍に同調し、そのカー回転揺らぎのホモダイン検波信号を高速デジタイザーとFPGAによりリアルタイムFFT変換する計測システムを構築した。 単一ドットでの磁気共鳴揺らぎを計測には、光学窓付きクライオスタットの中に通常の高NAの対物レンズを用いる光学系配置する顕微分光システムを構築し、単一量子ドットの発光測定を行えるようにした。また、同一スポットで波長可変レーザを用いて、個別量子ドットの反射・吸収測定が行えるように半球ソリッドイマージョンレンズを用いることによりサブマイクロメータースポットでの計測が行えるようにした。しかしながら、測定環境の振動、空調が外部共振器レーザに与える擾乱が大きく、単一量子ドットの吸収測定、磁気共鳴揺らぎの観測までには至らなかった。現在、レーザのケーシング、防振対策による波長可変レーザの安定化、更には、光学ブリッジと差分光検知器を用いることによりレーザ出力の揺らぎの相殺するシステムの構築を進めている。 極低温・強磁場での測定が不可欠な量子ホール系での磁気共鳴測定に関しては、別に、偏波面保存ファイバーを用いるカー回転揺らぎ測定システムを開発した。このシステムは室温では良好に動作したが、実際に低温に冷やすと用いていたレンズファイバーが応力により複屈折を生じ、低音での干渉計測には使えないことが判明した。現在、代替案の検討を進めている。
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Research Products
(7 results)