2010 Fiscal Year Annual Research Report
迅速な遺伝子破壊法を用いたマウス・ノンコーディングRNAの機能解析
Project/Area Number |
22310118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀江 恭二 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30333446)
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Keywords | ES細胞 / ゲノム / non-coding RNA / 変異体 |
Research Abstract |
近年、哺乳動物細胞には、mRNA型のnon-coding RNAが大量に存在することが明らかになった。しかし、non-coding RNAを、機能面から網羅的に解析する手法は存在しない。本研究では申請者が独自に開発した「マウスES細胞でホモ変異体を迅速に作製する方法」を用いて、non-coding RNAが破壊されたホモ変異体ES細胞を大量に単離する。多くのnon-coding RNAに対して同一の機能解析法を適用することで、non-coding RNAの機能に関する一般的原理の解明を目指す。 本年度は、Non-coding RNAの中でも、「ヒストンH3の4番目のリジンのtrimethylationのピークに続いて、ヒストンH3の36番目のリジンのtrimethylationの高値が継続する」という特徴を有す、mRNA型のnon-coding RNAに着目して解析した。このような特徴を有すnon-coding RNAは、最近の研究から、重要な機能を担っている可能性が高いと予想されている。我々は、gene trap型ベクターをマウスES細胞へ導入し、遺伝子内へベクターが挿入した細胞株を単離することにより、ヘテロ変異体ES細胞のバンクを構築している。このバンクには、上記の特徴を有すnon-coding RNAも多数存在している。これらのヘテロ変異体を解凍後、テトラサイクリンシステムを用いてBloom遺伝子を一過性に抑制し、相同染色体間組換え頻度を高めることにより、ホモ変異体を誘導した。さらに、我々が開発した薬剤選択法を用いて、ヘテロ変異体を死滅させ、ホモ変異体を濃縮した。得られた細胞株がホモ変異体であることを、SNP解析を用いて確認した。本年度の研究により、ホモ変異体を単離するための実験条件が確立され、今後、ある程度のhigh-throughput化が可能になると考えられた。
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