2011 Fiscal Year Annual Research Report
迅速な遺伝子破壊法を用いたマウス・ノンコーディングRNAの機能解析
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22310118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀江 恭二 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (30333446)
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Keywords | ES細胞 / ゲノム / non-coding RNA / 変異体 |
Research Abstract |
近年、哺乳動物細胞にはmRNA型のnon-coding RNAが大量に存在することが明らかになった。しかし、non-coding RNAを機能面から網羅的に解析する手法は存在しない。本研究では申請者が独自に開発した「マウスES細胞でホモ変異体を迅速に作製する方法」を用いて、non-coding RNAが破壊されたホモ変異体ES細胞の迅速な単離を試みる。さらに、ES細胞の分化誘導系とゲノムワイドな遺伝子発現プロファイル解析により、表現型を同定する。多くのnon-codingRNAに対して同一の機能解析法を適用することで、non-coding RNAの機能に関する一般的原理の解明を目指す。本年度は、以下の実験を行った。 1.ホモ変異体ES細胞の取得---前年度に引き続き、non-codingRNAの両アレルを破壊したホモ変異体の取得を継続した。前年度に、ヘテロ変異体バンクを拡大したことから、non-coding RNAへの新たなベクター挿入を同定しており、多くのホモ変異体の取得が可能となった。 2.ホモ変異体ES細胞の表現型解析---上記で得られたホモ変異体について、増殖因子・feeder細胞の除去や、embryoidbodyの形成等によって分化誘導を行った。分化誘導前後のRNAを単離しており、今後、RT-PCRにより、様々な分化マーカーの発現を定量して、表現型の異常を呈す変異体を同定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホモ変異体の単離および分化誘導実験のルーチーン化がある程度達成されたため、多くの変異体を系統的に扱うことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、分化誘導後の表現型解析を中心に進めて行くが、その際には、どのような遺伝子をマーカーとして選定するかが、表現型を特定できるか否かの重要な要因になる。過去の文献も含めて、十分な検討を行った上で、ある程度の網羅性を有す形でのマーカーの選定が必要と思われる。
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