2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22310164
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
秋林 こずえ 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (90377010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池内 靖子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (80121606)
松本 克美 立命館大学, 法務研究科, 教授 (40309084)
崎山 政毅 立命館大学, 文学部, 教授 (80252500)
姫岡 とし子 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80206581)
岡野 八代 同志社大学, グローバルスタディーズ研究科, 教授 (70319482)
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Keywords | ジェンダー / 平和構築 / 正義 / バックラッシュ / ポスト紛争 |
Research Abstract |
「ポスト紛争における平和構築とジェンダー正義の確立を目指す理論的かつ実践的研究に取り組む」という研究の目的を達成するために、平成23年度は小規模な研究会を中心とした研究活動を行った。本研究は5つの小テーマA.平和研究における「ジェンダー正義」の観点からの「平和」概念の再考に関する理論的研究、B.平和・安全保障政策へのジェンダー視点の導入の制度化、社会正義の観点からみたグローバルな社会における「ジェンダーの主流化政策」が平和構築に与える影響の研究、C.ナショナリズムの高揚によるバックラッシュとジェンダー・バッシングの結びつきに関する政治学・法学・歴史学的研究、D.歴史的な暴力、沈黙、トラウマと回復に関する証言を生む環境整備に関する地域研究。E.暴力の記憶と身体性、その表現に関する研究、という重点を設けて、それぞれの重点研究が交流しながら研究活動を続けている。A、Bに関しては、日本平和学会「公共性と平和」分科会での研究会、国連NGO連合「女性・平和・安全保障」の調査、日本で軍事主義、武力紛争と性暴力に関する現在の女性運動の研究、沖縄戦・戦後の女性史研究、A、D、Eに関しては韓国と日本のアーティストによる研究交流、ビルマ国境の少数民族カチン族のライフストーリー、南京と日本の学生による和解のための平和教育、韓国における平和教育A、Cに関してはジェンダー法学会・家族法学会での婚姻制度、セクシュアル・マイノリティの権利などに関する研究、を行い最終年度に向けて着実に研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A~Eの重点研究間の研究交流が進められることにより、研究目的を明らかにするアプローチがより明らかにされた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる平成24年度は、まとめとなる国際シンポジウムを計画している。そこで国連安保理決議にジェンダー政策を取り入れた際の大使あるいは国際NGO連合のメンバーを招待し、アカデミズムと実践者をつなげて議論を展開する機会を提供する予定である。その準備のための研究会をおこなう。武力紛争下での組織的な性暴力がまた増加・激化している現在、国連、国際機関、各国政府、国際NGOによるジェンダー平和・安全保障政策の推進が急務であることは国際的に共有されている認識であるが、日本国内でのそれへの対応は非常に遅れている。本研究会ではこれまでの研究の蓄積を平和研究・ジェンダー研究におけるアカデミックな貢献だけでなく、実践者にも有用であるような社会的還元を目指す。
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Research Products
(40 results)