2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 正勝 京都大学, 文学研究科, 教授 (90165390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 麻有子 明星大学, 人文学部, 准教授 (40465373)
岡田 勝明 姫路獨協大学, 外国語学部, 教授 (00203985)
小浜 善信 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10124869)
加藤 泰史 南山大学, 外国語学部, 教授 (90183780)
高坂 史朗 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (20170178)
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Keywords | 日本近代哲学 / 西洋哲学 / 東アジア / 比較思想 / 西田幾多郎 / 間文化 |
Research Abstract |
本研究では、明治以降の日本の哲学の特質や意義がどこにあるのかを明らかにするために、ただ西洋哲学との対比を行うだけでなく、日本と同様に西洋哲学を受容しながら、それぞれの伝統に依拠して独自な思想形成を行った中国や台湾、韓国など東アジア諸国の哲学との比較を通して、その特質や意義を浮き彫りにし、それが現代においてどのような可能性をもつのかを検討することをめざして、研究を進めてきた。 そのために、海外の研究者を交えた議論が必須であると考え、昨年5月には、韓国・江原大学において「東アジアにおける西洋哲学受容の問題」というテーマで共同シンポジウムを開催し、また本年1月には、「間文化的な視点から見た東アジアの哲学(跨文化視野下的東亞哲学)」というテーマで、台湾・中央研究院文哲研究所との共催により国際学術会議を開催した。それぞれ韓国の研究者、台湾の研究者とともに、それぞれの国における哲学形成の特質について議論を交わしとともに、その過程においてどのように思想交流がなされたのか、どのような影響関係が生じたのか、そして日本の哲学がそこでどのような役割を果たしたのかをめぐって議論を行った。 以上の共同研究のほか、ドイツ、カナダ、ルーマニア、中国、香港、韓国などで、研究代表者および研究分担者が講演や研究発表を行い、共同研究のための基盤作りを行った。また、近代日本の哲学者の著作や、研究代表者・研究分担者自身の著作や論文を中国語や韓国語に翻訳する作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的に沿って、韓国の研究者、台湾の研究者とともに、共同シンポジウム、国際学術会議を開催し、それぞれの国における哲学形成の特質について、またその過程で生じた思想交流について活発な意見交換を行うことができた。そのほかにも、海外での講演や研究発表を通して、また日本哲学関係の著作や論文の翻訳を通して、共同研究のための基盤作りを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、以上の成果を踏まえて、北京日本学研究センターにおいて「東アジアにおける哲学の形成と思想間の対話」というテーマで共同シンポジウムを開催することを計画している。とりわけ、日本と中国のあいだでどのような仕方で思想上の対話がなされ、どのような影響関係がそこに生じたのかを明らかにしたいと考えている。 また共同研究者同士の研究会で、それぞれの研究成果を相互に共有し、研究の深化・展開を図っていきたいと考えている。
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Research Products
(42 results)